相性 | 毎日の眺めの中から

相性



今から 20年も前のお話ですが


暑い夏の日。

二歳の三女を連れて 町まで銀行に行くためにバスにのり

着いたバス停で なにかのキャンペーンみたいなのをやっていました。

風船を配っていて 三女にくれました。


普通に膨らませたものじゃなくて、

フワフワ浮いた風船に、三女は大喜び。

飛ばさないよう、手首に縛ってあげて、

三女はニコニコ顔


暑い夏、三女は 麦わら帽子の鍔がじゃまなのか

真上を見上げて 風船を楽しんでいました。


銀行は混雑していました。

空いてる席に三女を座らせ

お母さん、並んで用事をたしてくるから、 ここで風船と一緒に待っててね

というと、 うん! と言って 上がってる風船を上下させながら お座りしていました。


ATMの列に並んで しばらくすると



バァーン! と、爆発音!

銀行は 一瞬 シーン



なにごと? と思ったら


泣きながら 私のところに駆け寄ってきた三女。


風船割れちゃったぁ と泣いたのを聞き


銀行は ホッ


また いつものざわめきに戻りました。


どうやら 麦わら帽子の鍔が風船に刺さり 割れたようです。


それからというもの、

何度か風船をもらう機会はありましたが、


割れる、飛ばす、しぼむ

と、まずまともに残ったためしがありません。


今、 三女は


風船は、相性悪い!

と、自分から 避けています。


どうやら あの 銀行風船が、トラウマになってるようです。