変わらない味 | 毎日の眺めの中から

変わらない味

はるか昔の記憶。私は、まだたしか幼稚園児くらいだった。


母の実家の小樽に行った帰り道、小樽市内のどこかの市場に寄った。あたりは、もう日が暮れかかっていて、市場の店先のはだか電球がまぶしくゆれていた。



母が寄った店は、かまぼこ屋。おばちゃんが、手際よくひょうぎにかまぼこを包んでいる。


みたことのない形のかまぼこだったから、早く食べてみたい!と思って、汽車に乗ってから、母に食べていいか、たぶん聞いたのだろう、母が袋から包みをだしてくれた。……そして包みを開けたら、かまぼこのいい匂いがまわりにたちこめるくらいに広がって、母の膝の上にあったかまぼこにすぐ手をのばした



一口かぶりついたその味のおいしいこと、おいしいこと。まだあたたかいかまぼこは、瞬く間に私の胃袋の中に納まってしまった。


あれから40年くらいたっても、あのかまぼこの味は、今も変わらない。


大好きな味。かま栄のパンロール!!