水族館での撮影は、「暗さ」、「ガラスの反射」、「生き物の速い動き」という3つの壁があり、プロでも工夫が必要な難しいシチュエーションです。
スマホでも一眼レフでも使える、きれいに撮るための秘訣をまとめました。
1. 反射を防ぐ最大のコツ
水槽のガラスに館内の照明や自分の服が映り込むのを防ぐのが、第一歩です。
レンズをガラスに密着させるのが最も効果的です。レンズをガラスにピタッとつける、または極限まで近づけることで、隙間からの光を遮断できます。
また、白い服や明るい色の服はガラスに鏡のように映り込んでしまいます。黒やネイビーなどの暗い服を着ていくと、映り込みを最小限に抑えられます。
それと、ガラスに対して斜めに構えると、歪みが出たり反射が入りやすくなったりします。できるだけ正面から構えるのが鉄則です。
2. カメラの設定とテクニック
動き回る魚をぶれずに捉えるためのポイントです。まず、フラッシュは絶対にOFFです。
フラッシュOFFは、魚を驚かせないというマナー面はもちろん、フラッシュを焚くとガラスが真っ白に反射してしまい、中身が何も写らなくなります。
ピントを固定は、AE/AFロックにします。魚が動くたびにオートフォーカスで迷ってしまう場合は、水槽内の岩や動かないものにピントを合わせ、長押しで固定して待つのがコツです。
連写モードを活用します。魚の動きは予測不可能です。「ここだ!」、と思った瞬間に連写することで、ベストな構図の1枚を残せる確率が上がります。
3. スマホでより美しく撮る裏技
最近のスマホなら、少しの調整で見違える写真になります。例えば、明るさである露出を下げる。
画面をタップしたときに出る「太陽マーク」を下にスライドして、少し暗めに設定してみてください。水槽の青みが深まり、幻想的な雰囲気になります。
「ポートレートモード」は控えめにします。境界線が複雑な魚や水草は、AIがうまく処理できず不自然にぼけることがあります。まずは通常モードで撮るのが無難です。
また、どうしても静止画がぶれる場合は、4K動画で撮影しておき、後からお気に入りの瞬間をスクリーンショットや、または書き出しするのも一つの手です。
4. おすすめの構図
巨大な水槽のジンベエザメやマンタなどでは、あえて魚を真っ黒なシルエットにし、背景の青を強調するとドラマチックになります。
また、魚だけでなく、水槽を眺めている子どもや友人の後ろ姿を少し入れると、その場のスケール感や物語性が伝わる写真になります。
次のステップとして、クラゲやイルカの撮り方も覚えてほしい。クラゲとイルカは、水族館の中でも特に人気の被写体ですが、撮り方のコツは「静と動」で真逆になります。それぞれの魅力を引き出すポイントを解説します。
1. クラゲの幻想的な「美しさ」を撮る
クラゲは動きがゆっくりしているので、ピント合わせは比較的楽ですが、「質感」と「色」の出し方がポイントです。
クラゲ自体が光っているように見せるため、画面をタップして明るさをぐっと下げましょう。背景の水を真っ黒に落とすことで、クラゲの輪郭と透明感が際立ちます。
また、クラゲの体は半透明でピントが迷いやすいです。一番くっきりしている「傘の縁」の部分にピントを長押しで固定すると、失敗が少なくなります。
それと、クラゲの触手の繊細なラインを強調するために、できるだけ近づいて撮ってみてください。幾何学的な模様がアートのような写真になります。
2. イルカの一瞬の「迫力」を撮る
一方のイルカは、非常に速く動くため、スマホでも一眼レフでも「予測」と「準備」がすべてです。
水槽越しの展示エリアの場合、イルカを追いかけてカメラを動かすとブレます。「ここを通りそうだな」、という岩や窓の枠にピントを固定して待ち、イルカがフレームに入った瞬間に連写します。
シャッタースピードを稼ぐために、一眼レフなら1/500秒以上、スマホならできるだけ明るい場所で撮るようにします。
イルカショーの場合、ジャンプの瞬間を指一本で捉えるのは不可能です。ジャンプの予兆、例えば、トレーナーの合図や水面の盛り上がりが見えたら、着水までずっと連写し続けましょう。
ジャンプそのものだけでなく、空中に舞う水しぶきを止めると迫力が出ます。この時も、少し明るさを下げておくと水滴がキラキラと光って綺麗です。
ズームをしすぎると、ジャンプしてフレームアウトしてしまいます。少し引き気味の広角で撮り、後でトリミングするのが確実です。
最後に、撮影時のちょっとした裏技を紹介します。クラゲの場合、水槽の前に立っている人の「シルエット」をクラゲと一緒に写し込むと、幻想的な物語性のある写真になります。
イルカの場合、ショーの最中、ジャンプだけでなく「トレーナーさんと見つめ合っている瞬間」や「顔を出して笑っているような表情」を狙うと、温かみのある写真になります。