ビデオカメラで映画を撮りたい

 

「ビデオカメラで、映画を撮りたいが撮れるのか?」という疑問への答えは、YES です。むしろ、ビデオカメラは初心者にとって「失敗しにくい」非常に心強いツールです。

 

かつては「映画専用のフィルム」でしたが、現在はプロの世界でもデジタル撮影が主流です。ビデオカメラは、長時間撮影に強く、ピント合わせがスムーズなため、初めてのショートムービー制作には最適と言えます。

 

シネマティックな作品にするためのコツと、具体的な手順をまとめました。

 

1. ビデオカメラで「映画っぽく」撮るための注意点

 

ビデオカメラの映像は「現実の記録」に向いているため、そのまま撮ると「ホームビデオ感」が出やすいのが難点です。以下の設定と工夫で、一気に映画らしい質感に近づきます。

 

フレームレートを「24p」にする。テレビ番組などは60iや30pですが、映画は伝統的に「1秒間に24コマ」で撮られています。設定を「24p」にするだけで、特有の「ブレ感」が生まれます。

 

「60iや30p」のiは、インターレース走査のことで、奇数、偶数の走査線の信号を交互に読み出す方式です。pは、プログレッシブ走査のことで、奇数、偶数の走査線を同時に読み出す方式です。インターレース方式と比較して、時間当たり約2倍の情報量があります。

 

それと、フレームレートとは、動画において、1秒間に何回画面を書き換えるかを表した数値。大きい値ほど、画面表示が滑らかになります。

 

また、ビデオカメラのズーム機能は便利ですが、映画で使われることは稀です。アップで撮りたいときは、三脚を持って被写体に近づく方が、迫力とリアリティが出ます。

 

加えて、勝手にピントが動くと視聴者が現実に引き戻されます。ここぞという場面では、「マニュアルフォーカス」を使いましょう。

 

そして、手ブレは「素人っぽさ」の最大の原因です。あえて揺らす手持ち演出以外は、三脚でどっしり構えるのが基本です。

 

2. ショートムービー制作の5ステップ

 

ステップ1:企画・脚本などの準備が8割

 

いきなり回し始めるのではなく、「誰が、どこで、何をするか」を書きます。プロットは、140文字程度で物語をまとめる。絵コンテは、下手でもいいので、どんな画面にするか図解する。

 

ステップ2:ロケハンや機材のチェック

 

場所の音を聴くことです。見た目が良くても、工事の音や冷蔵庫のブーンという音がうるさい場所は避けます。バッテリーと容量に関して、予備のバッテリーとSDカードは必須です。

 

ステップ3:撮影

 

「5秒前後」の余裕を持つことです。録画ボタンを押してすぐ演技を始めず、数秒待ってからスタートします。終わった後も数秒静止します。これが編集時の「のりしろ」になります。

 

また、同じセリフのシーンでも、正面からだけでなく、横やアップなど別のアングルで数回撮っておくと、編集でカッコよくつなげられます。

 

ステップ4:音にこだわる

 

実は映像以上に「音」が映画の質を左右します。ビデオカメラの内蔵マイクより、外部マイクを使うか、スマホのボイスメモを被写体の近くに置いて、別録りするのがおすすめです。

 

ステップ5:編集・色補正

 

CapCut, DaVinci Resolveなどの無料のソフトで、不要な部分をカットし、音楽を乗せます。最後に「色調整」で少し青みを足したり、コントラストを上げたりすると、一気に映画の世界観が完成します。

 

それと、最後のアドバイスになりますが、最初から長編を目指すと挫折しやすいので、まずは「30秒〜1分」のセリフがないショートムービーから、始めてみるのが上達の近道です。素敵なムービーが完成するのを祈っています。