閉じられない広告に遭遇

 

ネットサーフィンやスマホアプリを使っていて、なかなか閉じられない広告に遭遇すると本当にイライラします。画面いっぱいに広がったり、「×」ボタンが極端に小さかったりする広告は、単に「不快」というレベルを超えて、現在デジタル社会全体の深刻な問題として世界中で議論されています。

 

主な問題点は、大きく分けて以下の4つに集約されます。

 

1. 「ダークパターン」によるユーザーへの心理的・行動的妨害

 

ユーザーをだますようなデザイン手法は「ダークパターン」と呼ばれ、世界的に法規制が進んでいます。1画素単位の超極小ボタンだったり、背景色と同化させて意図的に見えなくしたりするケースです。画面の端に小さく「close」と表示して探すのにフラストレーションがたまってしまう。

 

広告の中に偽の「×」や「閉じる」「スキップ」が描かれており、それをタップすると広告を消すどころか、逆に商品ページや怪しいサイトに強制ジャンプさせられます。本当に始末の悪い広告です。

 

2. サイバーセキュリティの脅威

 

単に商品の宣伝ならまだしも、閉じられない広告の多くが悪質なサイトへの入り口になっています。「ウイルスに感染しました!」という偽の警告画面を全画面に表示し、ブラウザの「閉じる」操作もロックして、偽のサポートダイヤルへ電話をかけさせようとします。

 

また、閉じるボタンを押し損ねてタップした先で、個人情報を盗み出すフォームに入力させられたり、不正なアプリをダウンロードさせられたりする危険があります。何が面白いのでしょう。

 

3. デジタル社会の信頼性の崩壊

 

人間は長年のデジタル経験から「右上の『×』を押せば画面が消える」「『戻る』を押せば前の画面に戻る」という共通の約束事を信頼して操作しています。

 

消せない広告は、この「これを押せばこう動くはず」という安心感を根本から破壊します。結果として、シニア層だけでなくITに慣れた人でも、安心してデバイスを使えなくなるという社会的損失を生んでいます。

 

4. 広告主やメディア側のブランドイメージ失墜

 

サイト運営者や広告主側にとっても、短期的には「長く見せられた」「クリック数を稼げた」という数字が出るかもしれませんが、長期的には以下のようなデメリットしかありません。

 

「このブランドの広告はしつこくて消せないから大嫌い」というネガティブな印象が強く残りますし、その広告を掲載しているニュースサイトやブログ自体が読まれなくなります。

 

もし遭遇してしまったら、無理に画面内のボタンを探してタップしようとせず、「ブラウザのタブを閉じる」、PCなら「Alt + F4(Windows)」や「Command + W(Mac)」でウィンドウごと強制終了するのが一番安全な自衛策です。