「EV(電気自動車)はオワコンだ」という声も一部で聞かれますが、実態は「熱狂的な普及期」から「シビアな実用・選別期」に移行したと言えます。
メーカーや関連事業者が生き残り、勝ち抜くための戦略を整理しました。これまでは、「航続距離」や「0-100km加速」といった数値競争が主軸でした。しかし、今後は、「車を所有・利用する体験」の質が問われます。
スマホのようにOTA(無線アップデート)で機能が進化し続ける。「買った時が一番古く、使うほど良くなる」体験がリセールバリューの維持に直結します。
また、単に「速い」だけでなく、目的地検索と連動した充電予約、プラグを挿すだけで決済が終わる「Plug & Charge」など、ガソリン車より「楽」である必要があります。
そして、EVを単なる移動手段(モビリティ)として売るモデルは、価格競争に巻き込まれて疲弊します。
というのは、車を「動く蓄電池」として、家庭(V2H)や電力網(V2G)と統合すると、電気代が安い時に充電し、高い時に売電・使用する「エネルギー管理デバイス」としての価値を確立することになる。
また、車としての寿命が終わった後のバッテリーを定置型蓄電池として、再利用する仕組みを構築し、車両の残価設定を安定させます。
さらに、「EV一本足打法」の危うさが露呈した今、市場の成熟度に応じた柔軟な戦略が必要です。「手の届く」価格帯の実現として、テスラや中国メーカーに対抗できる、補助金頼みではないコスト構造の構築(LFPバッテリーの採用やギガプレスの導入など)が必要です。
以上、EVがオワコン化しないためには、「ガソリン車の代替品」を作るのではなく、「エネルギーと移動を統合した新しいインフラ」を作るというマインドセットへの転換が不可欠です。