急速充電はバッテリーを劣化させる要因?

 

結論から言うと、「急速充電は通常よりもバッテリーの劣化を早める要因になる」というのは事実です。ただし、最近のスマートフォンやEVには、その劣化を最小限に抑える高度な制御技術が備わっています。なぜ劣化するのか、どう付き合えばいいのかを分かりやすく解説します。

 

なぜ急速充電はバッテリーに負担がかかるのか? バッテリーのリチウムイオン電池を「混雑した劇場」に例えると分かりやすくなります。狭い入り口に一斉に人が押し寄せるようなもので、そこで摩擦が生じ、熱が発生します。リチウムイオン電池にとって熱は最大の天敵です。

 

化学的な負荷という面では、急いでイオンを移動させると、バッテリー内部の材料に物理的な歪みが生じたり、化学反応が追いつかずに副産物が溜まったりします。これが積み重なると、蓄電できる容量が減っていきます。

 

最近のデバイスが「意外と大丈夫」な理由で、「急速充電=即故障」とならないのは、メーカー側が以下のような対策を施しているからです。バッテリーが空に近いときはフルスピードで充電しますが、80%程度まで溜まると、入り口を狭めるようにゆっくりとした充電に切り替わります。

 

また、センサーが熱を検知すると、自動的に出力を下げて冷却を優先します。AIによる学習によって、寝ている間はゆっくり充電し、起きる直前に100%になるよう調整する機能などが搭載されています。

 

バッテリーを長持ちさせるためのコツを学びましょう。急速充電を避けられない場面もありますが、以下のポイントを意識するだけで寿命は大きく変わります。風通しの良い場所で充電をして、充電しながら重いゲームや動画視聴をすることは避ける。

 

寝る時は低出力の充電器を使うようにします。一方、 夏場の車内などの高温下で充電するのは避けます。急速充電は「便利な道具」ですが、人間が全力疾走し続けると疲れるのと同じで、バッテリーにも相応の負担はかかります。急いでいない夜間などは、あえて普通の充電器を使うのが一番の優しさかもしれません。