もう6年前になるのか…。


青山劇場でこの芝居を観た。
青山劇場も今は無いのか…。


プラチナチケットだったらしいが
店子のお陰で関係者席が取れた。


正反対の感情や思考を持つ
2人のボクサー
新宿新次とバリカン健二の物語。

寺山ワールドが其処には有った。
巨匠・蜷川幸雄氏の演出で蘇った
寺山ワールド。


鳥肌が立ったし
咽び泣いてしまった。



あの、青山劇場から6年か…。



今年?に入ってからか
若い役者の引退や活動休止の話題が絶えない。
どの役者も蜷川幸雄氏の芝居に出演していた。
気に入られていたとも聞く。


蜷川氏の芝居はよく観に行った。
シェイクスピアシリーズ、
取分けオールメール(男性のみ)シリーズは
どの作品も堅いと思われがちなシェイクスピア作品を、見事に裏切りテンポ良く笑いと涙と幸福感へと誘ってくれた。


そんな作品で、座長や準主役として生き生きと芝居をしていた若い役者が去って行ってしまうのは…淋しい限りだ。


舞台役者だけでは食べて行けないからとバイトをする、とても上手い重厚な演技をされる脇役を沢山知っている。
彼らの親世代の役者である。
役者をやり続けたいからバイトも苦にはならない…のだろうか。
頭が下がる。


下積みがあろうか無かろうが関係ない。


そんな若い彼らは
役者をやり続けたいと思ってはいなかったのだろう…か。

だとすれば、とても残念だ。
まだまだ観てみたい『表現者』だったのに。




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戦士の休息                    


ふりむけば
いまも喝采がきこえる
戦っている自分がみえる


ふりむけば
心臓にこだまする汽笛がきこえる
家を出た日の夜明が見える


ふりむけば
ほつれた髪の一人の女が見える
鉄路に叩きつけたウイスキーの空壜
挫折もあったし
まわり道もあったのだ


ふりむけば
包帯ににじんだ血をじっと見つめてる
四回戦ボーイがみえる


人生にたった一つの椅子をさがして
さまよってきた俺が見える


ふりむけば
倒れてゆくあいつの顔が見える
同じ夢に賭けたあいつの美しい無念が見える


ふりむくな
ふりむくな
男のうしろにあるのは
いつも荒野ばかりだ


俺の捨てた栄光のベルトにむらがる
飢えた奴らの雄叫びに耳をふさごう


人生は終りのないロードワーク
何一つ終わったわけじゃないのさ


さらば、友よ!


                             寺山 修司