サンフェルナンド邦人射殺事件について、日本語と英語で報道された記事を読めば読むほど、この事件のナゾが浮かび上がってくる。

これまでの報道を振り返ってみよう。

まずは共同通信の事件発生当時のニュースから。

「警察によると、鈴川さんのフィリピン人の妻が1日午前3時半ごろ、帰宅した際、自宅前に止めてあった鈴川さんの車の近くで、倒れていた夫を見つけた。胸に3発の銃弾を受け、薬きょうが現場で見つかった。状況から午前2時半~3時の犯行としている」

これを読むと、鈴川さんの死亡推定時刻は「午前2時半~3時の犯行」となっている。

時事通信はこう報じた。

「1日は妻に知らせず、一人で乗用車に乗って現場に到着したとみられるという」

テレビ朝日はこう報じた。

「スズカワさんは1日午前2時半ごろ、サンフェルナンド市の幹線道路で何者かに撃たれて殺害されたということです。地元警察は、殺人事件として逃げた犯人の行方を追っています。スズカワさんは東京都出身で、フィリピン人の妻とともにサンフェルナンド市で暮らしていたということです」

つまり、犯行時間を「午前2時半ごろ」としている。

ところが、共同通信の英字版では、

「He said Suzukawa had just alighted from his car near their house in the coastal city's Lingsat village around 3 a.m. when the assailant shot him three times in the chest at close range with a .45 caliber handgun.」

と、犯行時間は午前3時頃になっている。

こうなってくると、犯行時間は午前2時半~3時としておいたほうが無難なようだ。

鈴川さんの妻は、

「事件の前日、夫は午後10時頃にお店にやって来て、ビールを2本飲んで、午後11時頃には店を出た。どこへ向かったかは知らない」

と、話している。

妻の経営するガールズショークラブから自宅までは、車で10分~15分くらい。

鈴川さんが午後11時に店を出たのなら、まっすぐ家に帰れば4月30日午後11時半までには自宅に着いただろう。

ところが、前出のように、5月1日午前2時半~3時が犯行時間。

鈴川さんは店を出てから、まっすぐには自宅に帰らずに、どこかに立ち寄ってから帰ったということになる。

午後11時から翌日の午前2時半~3時頃までの空白の3時間半~4時間をどこでどう過ごしていたのだろうか。

空白の時間帯に、犯人と何らかの接触があったのだろうか。


                                 (つづく)


サンフェルナンド邦人射殺事件とは

鈴川寿さん(69歳)は5月1日、ラウニオン州のサンフェルナンド市のリングサット・ビレッジにある自宅の近くで、ちょうど車から降りたところ、何者かによって、45口径のピストルで胸などを3発撃たれて死亡した。

現金1万1000ペソ(約2万6000円)と携帯電話などの所持品が奪われていなかったことから、強盗ではなく怨恨などの殺人自体が目的だったのではないかと報じられた。

鈴川さんはフィリピン人妻との間に3人の子供をもうけていた。

鈴川さんは当夜、妻の店でビールを2本飲み出かけた。遺体の第一発見者は妻と娘たちで、午前3時半過ぎだった。

また、「鈴川さんは高利で無許可の融資を地元の住民にしており、返済をめぐってトラブルを抱えていた」とも、共同通信などは報じ、金銭の貸し借りによるトラブルが背後にあるのではないかとも報じられたが・・・



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(ディビソリアにて、カイビガン撮影)

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