$カイビガンの休日
昨日お昼過ぎ、Tequinhoさんのブログ「ラテンに包まれて」に出てくるS公園へ行くと、ホームレスの母親が目に娘のピンクの服を押しあてて、泣いていた。

周囲にいる人たちは口々に、「彼女の1歳2カ月になる娘が奪われた」と言った。

ことの経緯はこうだった。

前日、ボクサーのマニーパッキャオ関連のイベントが近くであり、大勢の人が会場に詰めかけた。

会場の建物内には3000人くらいの人がいた。

午後6時頃スタートし、各自のチケットにある数字がアナウンスされるラッキーに恵まれ、質問に答えられれば、賞金がもらえるという催しだった。最高賞金額は1ミリオンとも聞いた。

当日、ホームレスの母親と娘も、仲間たちと会場にやってきて、チケットを出して入ろうとしたのだが、幼い子供には入場制限があった。

そこで、母親は娘を知人女性に任せて、建物の中に入った。イベントでは数字がアナウンスされることはなく、30分くらいで外へ出ると、知人女性も娘も消えていた。

ホームレス仲間とほうぼうを探したが見つからない、と泣いているのだった。

私も心から同情した。

「1歳2カ月の娘はどこかへ売られてしまうのではないか」

公園にいたホームレスはそんなことを言った。

まだ、警察へ行っていないというので、一緒にジプニーに乗って警察署へ行くと、「ウーマンズ・デスク」という部署に通され、担当の女性警察官に、彼女は涙を流しながら一部始終を話した。

私も帰国までできるだけのことはしてあげようと思った。

そんなこんなで、S公園に戻り、しばらくすると、母親の知人女性が子供を抱えて無事帰ってきた。

子供を預かったまま24時間いなくなっていた知人女性は、

「きのうは会場の外で待っていたら、雨が降ってきた。何時になったらイベントが終わるかわからなかったので、キアポへ行った。子供と一緒にバスの下で夜露をしのぎ、きょうは昼間は暑かったので、夕方になるのを待って戻ってきた」

と説明した。公園にいたホームレスは

「きのうはそんなにひどい雨ではなかった」
「なぜ、30分くらい待てなかったのか」

口々に質問した。
別の女性ホームレスは

「もし、あなたが反対の立場だったらどう思うと言っておいた。24時間も娘がどこへ行ったかわからなくなったら、あなたはどうするのと」

と怒っていた。

みんなほっとして、わたしは飲み物を心配して動いていたホームレスみんなにふるまった。

フィリピンでは幼い子供を簡単に売り買いするという怖い現実があるという。お腹にいるときから、予約済みのケースもあると、フィリピン人に聞いた。肌が白いとか可愛い子とかが好まれるという背景があるから、みんな心配していた。

お金に詰まるとろくなことない

無事に戻ってきた1歳2カ月の女の子を見ながら、「よかった、よかった」と何回もつぶやいてしまった。





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