ステイホームも三ヶ月となり、昔作ったアンプの整備をしてキチンと使える状態にしておかないと僕が死んだら厄介な粗大ゴミになっちまう。
そう思い放置していたアンプを引っ張り出して掃除し、塗装したり部品を交換しレストアに励んだのだ。
前回直したN氏の2A3シングルアンプは無事納品完了。N氏秘蔵のRCA2A3一枚プレートとWE274Aを差しJBLのC60 Sovereignを友として良く鳴っておりN氏もご満悦でめでたしめでたし。
そこで一緒に作った僕のアンプも同じ仕様で作り直し。N氏のアウトプットはOne ElectronのUBT-3で3KΩのトランスでこれが実に良い音で鳴るのだが、僕は在庫の関係でUBT-2の4.8KΩ。
同一モデルの一次インピーダンス違いなのだが一次の巻き線数がかなり違うとみえて音の飛びが悪い。
そんな訳で回路は似たようなものだがはらわたの中身はかなり変わった構成になった。外観は米軍仕様風の仕上がりです。
コロナ2号機はこんな感じ。
ところで、なんだかSADEが無性に聴きたくなった。
80年代後半からシンプルで分厚いコンテンポラリーなサウンド、スモーキーなアルトで淡々と歌うボーカル。
前半はジャズソウルのエレクトロ系だったが。後半はアコースティックなサウンドに変化しており、ナイジェリア人とイギリス人ハ-フのボーカル、"黄金の吐息"(なんじゃそりゃ笑)シャーデー・アデュの無国籍でミステリアスな風貌と相まって独特な雰囲気を作り出している。
そこで現在稼働中の僕のアンプを見れば米国製パーツの真空管とトランスの物ばかり。
どうも湿度が違う。
太陽の角度が違う。
写真で言えばコダックとアグファの違いかな?
ヨーロッパの音源にはやはりヨーロッパ製だろうと思い押し入れを探すとSIEMENS EL86のプッシュプルが出てきた。
この球はスクリーンの電圧が低く定電圧を組んだり色々やったが、帰還をかけると発振したりで上手くいかずほっぽらかしだった。
そこで十年以上前になるかな?某輸入代理店様からサンプルで頂いた スロバキアJJ ELECTRONIC製のEL84(6BQ5)があったのを思い出し組み直すことにした。
6BQ5のプッシュプルは中学一年の時三年生の工業部部長O氏が組んでダイヤトーンのP-610を鳴らしていた当時の憧れ。この手の本を書いているような大先生方が言うには、やれ直進性が悪いとかやれ三次高調波歪が多いとか実に評判が悪い(笑)
ならば、何故テレフンケン、シーメンス、ロジャース、フィリップスなどなど、欧州の大メーカー様のモニターシステム用アンプに採用されているんだ?教科書に出てくる大先生のアンプが世界的なメジャーレコード会社のモニター用に使われたなんて話は聞いた事が無いし実際スタジオで見たことなど一度も無い。
真空管の番付で言えば前頭下位、入門クラスの球だが真剣に向き合うとどんな音がするのか楽しみ。
横綱級の球だとばかりに物量投入し贅沢の限りを尽くしたアンプと、Hi-Fi入門用の前頭級を今の僕が真面目に作ったらどれ程の違いがあるのか?
正直に言うと僕は欧州系出力管の横綱、EL34 (6CA7)が嫌いなのだ。ヒータ電力が大きく熱い!それでエアコンかけて電気の無駄遣い!家で使うには出力がデカ過ぎ!我が家は映画館でも貸しホールでも無い、普通の一軒家なのだ。
マニアの中にはこの球の音は~~とウンチクを語る人は多いが僕には正直言って分からない。アンプの音色を聴いてパーツや真空管の型番まで分かるような超能力など僕には無いがEL34だけは分かる。それくらい嫌いなのだ(笑)
ほとんどの場合、作った人の個性の方が大きく、同じ作者のアンプは同じような音色で鳴ると思っています。
僕のアンプも共通した音色と独特な表現があるそうで、友人K氏は「昔はやたらデカい得体の知れない危なっかしいアンプを作る暴れん坊若様だったけど、近頃はいかにも家庭用らしいコンパクトな機械を作る様になったじゃん、でも、出て来る音は昔と変わらない、やっぱり一緒だ」と笑って言います。
多くのオーディオマニア様はタンノイ、アルテック、JBL等の有名メーカーの年代物の名品スピーカーにWE300Bとかの直熱三極管アンプ、聴いている音楽と言えばこれまた年代物の優秀録音と称されているアナログ盤とかで初版がどうとか何処に行ってもお決まりの同じような曲ばかり。そりゃあ、再生機器と音源が同世代なら当時の音楽を再生するにはピッタリはまるでしょう。
僕がオーディオに嵌ったきっかけはジョージ・クリントンやブッチー・コリンズ、ロジャー・トラウトマンなどのP・FUNKが原点。
楽器数が多く個性溢れるアフロナッツ共がやりたい放題、録音は悪いしどうやったら再現出来るのか悩みに悩んだ末の自作アンプなのだ。
要するに原点が違う。よってオーディオの仲間からも変わり者扱いされている(笑)
音楽再生とは不思議なもので、ある程度のレベルになり、キチンと再生出来る様になると他のジャンルでも良く鳴る様になる。俗に言う、クラシック向きだとか、JAZZ向きとか正直言って良くわからない。
特定の音源(CDやレコード)にドンピシャとなるとその一曲だけを聴く為のシステムを組む事になるが、それもまたオーディオの一つの楽しみ方。
我旧友、館山の大先生、レストランコンコルドの今は亡き佐久間駿氏のオーディオベクターで聴くチェット・ベイカーは格別だった。
しかし、そう言うオーディオの良さと楽しさは十分理解しているが今の僕は興味がない・・・
そんな流れでクラシックやオペラ、声楽、ジャズ、ラテンやエスニックも聴くようになり音楽の幅が広がった。
上手く再生出来ない、きちんと鳴らないとつまんないし楽しくないから聴かなくなる、オーディオなんてそんなもんです。
さて、JJのEL84、普通の6BQ5よりは大きい規格で作りもしっかりしている。
電源トランスは倍電圧用のタンゴを塗りなおしたが、シリコン整流では面白くない。ならばと Svetlana 6D22S を2本使って真空管両波倍電圧整流。この球は高級オーディオ用で211や845等の千ボルト超級の高圧整流目的でカラーテレビ用ダンパー管EY500ベースで開発され電源の立ち上がりに1分かかるデレイスタートで実に具合が良い。
でも誰も使わないのか人気が無く新品一本900円でソケットが300円、安い!
チョークコイルは大昔のLUXMANの新品未使用を発見!
初段はECC83の差動増幅回路で定電流源はオリジナルテレフンケン5654(6AK5W)、レコード用イコライザーアンプに使おうと買っておいた秘蔵品。EL84は固定バイアスでカソード接地のUL接続。
電源電圧は315Vで5%高くし、電流は一寸絞ってSGと合わせて一本あたり35mA。
出力トランスはULタップのあるEDCORのXPP15-10Kを選んだ。
パーツは在庫からが基本で足りない物だけ新規購入。
サンオーディオの内田さん、EPCOSのケミコンをご提供頂きありがとうございます。
海神無線の久保田さん、色々とお世話になりました。
この手のアンプは弄り甲斐があると言うか回路勝負なので作り甲斐がある。
性能は安心して使えれば必要十分で良し、「オーディオは測定器の奴隷ではない」は亡き佐久間さんの名言だが、音の悪い機械を測定する必要は無いしデーターで音が分かるはずもない。
気に入ったところで測定して安定して使えるかどうかチェックするだけで十分、ヤバいところだけ修正、補正すれば所詮自作の自己責任、誰に迷惑を掛ける訳では無い(笑)NFB量をロータリスイッチで5段階調整可能にしてみた。音源の違いやスピーカに合わせてダンピングファクターが変えられるので使い勝手が良い。
そんな訳でいよいよ完成、う~ん、良い音するじゃん💛
五極管はUL接続がよろしいようです。
て~か、基本ビーム管が好きで、UL接続のアンプは30年くらい前に作ったEL34が最後でそれ以降作った事が無い。
ユーロ系独特のしっとり湿った音色だが開発年代の新しい球らしく音の立ちが早い。イギリス球のようなカビ臭さい音もしない、もう少し南欧って感じかな。
SADE、やっぱりユーロ系の球で聴くと良い!
楽曲全体を支配する息の詰まるような緊張感と重さの中で無機質で乾いたボーカルが上手く溶け合い、独特の世界観とブルージーでメランコリックなトーン、良い感じ💛
シャーデー・アデュは確か同い年だった。
今はリタイヤしてジャマイカでおっかさんしているはず。
アルバム総セールスは5000万枚以上、大金持ちの楽隠居かな?
僕は貧乏ですが気楽な楽隠居してます。
ところでスピーカー、デスクトップのオーディオ用に使えるかとオフハウスで1セット税込み2200円で仕入れたDENON USC-M7に繋ぐとなかなかよろしい。
このスピーカ、1990年頃のシステムコンポ付属品で単品販売はしなかった様だが、10cm同軸2ウェイに10cmウーファーを付けた3WAYの見るからにゲテモノ(笑)
同軸らしい定位の良さだが流石にツイーターが弱く近距離ならソコソコだけど飛びは良くない。
まあ二千円のスピーカに多くを望む事自体が間違いでしょう(笑)
コロナ三号機も完成でパソコンのモニター用には必要にして十分。
なんだかもうオーディオ弄りも飽きてきた。
七月も終わりだと言うのに梅雨明けもまだだが、そろそろ海に復帰します~
ん?東京者はコロナ菌だから立ち入り禁止?県外に来るなって?
僕はもうとっくに完治したから大丈夫ですよ~だ(笑)
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