朝起きて
窓を開けたら
台風一過と勘違いしそうになった
空の色
おひさまの光のあんばい
雲のかたち
風のかたち
風のにおい
空気が肌に触れるときの感触
が
台風が去った翌朝そのものだった
蚊が
目の前を通り過ぎた
蚊をたたくとき
両手を上下にパチン
とするとよいことを
今日初めて知った
部屋の中を
糸とんぼが舞っていた
ティンカーベルのような
キラキラの羽を
ぴらぴらさせながら
とんぼは
目の前で立ち止まった
そしてまた
優雅にうごき始めた
おもわず後をついていってしまった
夕方、
ドアを開けて外に出ると
残暑のにおいがした
夏休み最後の日の気分になった
半日で
夏の真っ盛りと
夏の終わりを
あじわった
夏はもう すぐそこ