​母と私の話13

〈12からの続き〉


職場から実家までは車で約35分

職場から自宅までは約15分

すぐタクシーに乗り自宅へ🚕

自分の車に乗り実家へ🚗

家に着くと若い警察官が
食卓に座っていた。

母は険しい顔で
ベッドに腰掛けていた。

母は私を見て

『良かった!無事だったんだね』


『うん、そうよ』

と素っ気なく言いながら
若い警察官に謝罪とお礼を伝える。

『遅くなってすみません』
『ご迷惑をかけてすみません』
『本当にありがとうございます』

矢継ぎ早にお礼を伝える私に
警察官は

『お母さんが喉が乾いたと言われたので、
このコップでお水をあげたんですが、
よかったですか?』

コップを見るといつも使ってないコップ
でも、そんなことはどうでもよかった

『全然大丈夫です』
『お水まで出してくださって
本当にありがとうございます』

警察官とやり取りをしてるのを
横目で見ていた母は険しい顔のまま私に

『なんか私が間違ってたの?』

『迷惑かけたの?』



『そんなことないよ』
『大丈夫よ』

と言うと
『そうでしょ』と言わんばかりに
少し安心顔に…


そんなやり取りの最中
訪問のお医者さんが家に
勢いよく入ってきた。

警察のバイクと
私の車があることに驚いて
急いで入ってきたらしい。

『どうしたんですか?』
『大丈夫?』


訪問のお医者さんに事情を話し終え
もう少しこの場に居ようかなと
思っていたら

『我々がいるから大丈夫ですよ』
『もう職場に戻って下さい』



お言葉に甘えて職場に戻ることに🚗

母の危機迫った感情を解放できて
ホッとした気持ちと
母の行動によって
こんな風に皆さんにご迷惑を
お掛けすることになるんだと
情けない気持ちと
申し訳ない気持ちが混在した。


でも
私の心は暖かい感情も抱いていた。

本当に心優しい良い人たちばかり。

警察官の人達のお気遣い
訪問の先生の勢いよく
家の中に入ってくれた姿に
私には心底感謝の念が浮かんだ。


『私一人で母を介護してるのではない』

『周りの人達が支えてくれる』

『あなたは一人ではない』





私は介護についてこう思う

介護をしたことがない人は
本当の介護を知らない
それは仕方ないこと
でも、
あなた一人ではありません
必ず周りにあなたを
支えてくれる人がいます



12を読んだ皆さまのモヤモヤを解消
〈私の職場の支店長について〉

支店長はただ、
介護を知らなかっただけ
だから
私は腹が立つことはなかったし
責める気持ちも毛頭なかった
介護を知れば他者に対して
視野が広がり
様々な選択が出来る

想像してみて!
もし、窮地にたった自分が
周りに何を求めているかを!