​新入行員
お正月明けの話


当時、年末12月31日まで仕事
三が日休みで
1月4日から仕事始めの時代

その年

たまたま31日が日曜日

月末の小切手、手形の支払いは
翌営業日となるため
1月4日に大量に回ってきた。

次々と引落をしていくが

取引先の1社が当座に残高がなく
手形の引落ができない(汗)

このままだと1号不渡となる(汗)

1号不渡とは
残高不足により決済ができなかった場合
不渡報告に記載され加盟金融機関へ通知
それにより
その会社は信用が大きく毀損。


1月4日は世の中的にまだお正月
会社も開いていない。
渉外担当者は社長自宅へ訪問したり
ありとあらゆる手を尽くした。

当時は携帯電話もない時代。

連絡の取りようがなく、
不渡報告を出す時間が迫る。

いた仕方なく
会社の口座、社長個人口座で
お金があるところから
便宜扱いで引き落として
当座に振替しようということに…

『あった!』
カードローンの借入枠…

でも、借りると貸付金利息がかかる。


『どうするんだろー』

私はある意味傍観者

新入行員ごときが何かを助言したり
決定することなんて1ミリも
出来るわけない。

上司から指示がでた。

『このカードローン口座から
出金して当座へ振替てくれ。
それと、便宜扱簿に記載して』


言われるがまま処理した。

ここまで読んだらなんかヤバいって
感じますよね?

そう…

その後がヤバかった…(涙)



この話は30年以上も前の話

今よりももっと生前説に基づいて
社会が成り立っていた。

銀行がこんなことを!?

と、思うかもしれませんが
当時はできる限るお客さまの不利益を
除外することが重要だという考えがあった。


続く…