​私は反抗期が
しっかりある子供だった


2歳の時

『ひとり、ひとり』

といつも言っていた。

とにかく
なんでも『ひとり』でやりたいし、
とやかく言われたくなかった。

外を歩く時も
手を繋いで歩こうとする母の手を
振り解いていた。


母はいつも繰り返した
『危ないから、危ないから』

私も繰り返した
『ひとり、ひとり』

そして
手を振り解いた私は
すぐに転んだ。

ハイハイもできないほど
腕の力が弱かった私は
顔から転んだ。

その度におでこに大きなタンコブ。

母はいつも私を心配して
私の顔を覗き込んでいた。

『バカになる』って思ったらしい(笑)

反抗期にはたくさんの気づきがあった。


同じところで2回ほど転んで
気がついたことがある。

『ドアのストッパーが足元にある!』

『これにつまづいてたのか!』

『なるほど原因はこれか…』

足元さえ見ていれば転ぶこともない。

次の試練は

手を振り解くとよろめいてコケる。

強く握られてるからこそ起こる現象。

手を下に振り解き
しゃがみ込むことで
大きく転ぶのを回避することを習得。

そんなことを繰り返してるうちに、
反抗期も終焉をむかえ
その後
私が3歳の時
母が病気に倒れた。

母は寝たきりになり
私は
自分のことを自分でする
生活が始まった。

あんなに全部『ひとり』
でやりたかったのに…