高校3年
就職を決める三者面談
私は希望の会社を
1番に選ばせてもらえた。
先生は意気揚々と
企業リストを机に出してきた。
『どこにする?』
『どこでも好きなところを選んでいいよ』
『アメリカに留学したい』
3秒間の沈黙…
先生と母が
『で?』
私の言葉が無かったかのように
2人で企業リストを見る。
(まぁーそーだよねー
こんな反応になるよねー)
先生は…
良い企業に就職させて
実績を残したい。
母は…
これ以上の学費は難しい。
海外なんて恐ろしい。
こんな感じだった。
私も企業リストを見た。
『あれ?』
『三菱、マツダ、中電、都銀がない!』
姉の就職の時にはあったはずなのに…
ちょうど女子大生が
脚光を浴びてきた時代。
大学に行く女性が増えたことで
高卒よりも大卒の女性を
採用する時代となっていた。
とても残念な気持ちになりながら
『先生、どこが1番いい企業なの?』
『第一地銀の銀行か野村證券』
2択…
すかさず母は
『銀行がいいよ』
そこでふっと思い出した…
わたし。。
小学低学年の時
銀行員になりたかったんだ。
『じゃあ広島銀行で』
ほんの数分で
銀行を受けることが決まった。
帰りの電車で母がボソッと
『留学したいなら遠い親戚がハワイにいるって聞いたことあるから探してみようか』
と…
『いいよいいよ就職するよ』
皆んなの思いは分かっていた。
それと、
私は留学するなら
ニューヨークと決めていた。