『売られたケンカは買いなさい』

『買ったケンカは負けてはいけない』

『勝算があるならケンカしろ』

『ケンカは常にタイマンだ』

『カッコよく生きろ』

この言葉は

小学生の頃から
母が私たち姉妹によく言っていた。

真意はわからないが

的を得ていると思っている。

やられっぱなしはダメ。

自分が正当なら戦え。

だけど、無駄なケンカはするな。

弱いものイジメは絶対ダメ。

ということなんだろう。


と、言うことで…

瞬発的に売られたケンカを
買ってしまった

が、、、

そのオンナを放置して

急いで部室にむかい
お姉さん(先輩)の
お昼のお世話をした。

その日は1人のお姉さんしか
部室に来ずすぐに解放された為
時間が余ったので
友達と食堂に寄って
教室に戻った。


私のクラスの前には
5、6人のいかにも
悪そうなヤツが腕組みをして
集まっていた。

廊下にはその他の生徒は
1人もいなかった。

異様な光景。


『あれ?』

『あのオンナって私を待ってるの?』
『おーヤバいねー』

なんて友達と言いながら。

教室の前まで行くと、
待ってましたとばかりにスゴまれる。

私に矢継ぎ早に喋ってくる。

『オマエぶつかったろ』
『ぶつかった時私に何て言った?
言ってみろ』

全く覚えていない。。。


『痛いのぉあらぁ』

だそうだ。

あ…
もしかしたら言ったかもしれん。。。

確かにちっちゃい声で言ったわ。。。

よー聞こえてるなぁ。。。

あらあら
ケンカを売られてたと
思ったら私が売ってたのかな?

何て思いながら、


『ぶつかってきたのはオマエ』

とか言ってみたものの

それもお互いよけなかっただけ…

おぉぉぉ
展開の切り返しがないなぁ…

なんて思っていたら

急に…


『このレディース総長の私に
ここまでタイマンはってくるとは
見事なヤツだ!
このケンカは
両者勝ちということにしよう』


『えっ!?』
『レディース総長!?』
『そりゃ知らんかったわ』
『両者勝ち?』
『なんかよーわからんけど、
まーええわ』
(全て心の声)

実際の発言は…
『そーぢゃね』
『お互いよけずにぶつかったわけだし』

オンナから握手を求められ
『これで仲直りだ』
と言われた。

命拾い…


クラスに入ったら
一連の出来事を
皆んなコッソリ見てて大騒ぎになった。

『レディース総長を
やり込めるなんてすごい』
と…

だから知らんかったんだって…