年間360日
バレーボールの日々
ほとんどを体育館で過ごした。
山に遮られ
原爆で焼けなかった学校
ただ多くの人達が
一瞬のうちに亡くなったことは
間違いない。
体育館にも
幽霊さん達はいらっしゃった。
よく晴れた日。
その日も体育館でバレー練習。
最初の1対1のパス練習をしていた。
すると…
突然
舞台の横の扉と同じ場所で
霊の扉が開いた。
『霊も扉を開けて出てくるんだぁ』
なんて思っていたら、
ゾロゾロ並んで5人ほど出てきた。
先頭は大人の男性。
そして大人の女性。
若い女性たち。
最後は小さな男の子。
『へぇーーーおもしろい!』
『サザエさんのエンディングみたい!』
『今日は天気良いし
みんなでお出かけかなぁ』
なんて目で追ってると
パス練習をしてた同級生が
私が見てる方をチラチラ見ながら
『何?何?
もしかして幽霊?
出てる?
ヤダヤダやめてよ』
わたしは
『うん』
とだけ答えた。
ただ、、
あの人たちは家族ではない。
行き場がなく
寂しくて集まってるだけ。
戦争とは…
原爆とは…
悲しい人達をたくさん見た。
サザエさんなら幸せなのにね…