小学5年生
バレーボールの夏休み合宿
体育館で寝泊まりをすることになった。
『なんだか気がすすまないなぁ』
『あの青色自転車を押した子供がいる』
その日は雨が降っていた。
雨粒も大きく
体育館の屋根に雨が当たる音が
響いていた。
体育館に布団をひいて
電気を消して
みんな寝静まるころ
案の定、青色自転車の男の子が
はしゃぎだした。
体育館の2階の黒いカーテンを
興奮気味に開け閉めをしだした。
『シャーシャーシャー』
『シャーシャーシャー』
とにかくうるさい
『こんなうるさい中で
よくみんな寝れるなぁ』
『本当に寝てる?』
『みんな聞こえてないの?』
『こんなにうるさいのに
まさか聞こえないなんて
有り得ないよ』
わたしは、明け方まで
うるさくて眠れなかった。
次の日
昨日の夜の出来ごとを話す人は
一人もいなかった。
『マジで?
あの騒音が聞こえなかったの?』
わたしは不思議でしかなかった。