オレンジのまばゆい光を見た
小学4年生

気づいたら
幽霊達が寄ってくるようになった。


4年生からバレーボール部に入部し
体育館で過ごすことが多くなった。

当然、ボール球いもする。

ボールが転がった先

舞台の向かって右側に
いつもいる男の子。

小学1年生くらいで、青い野球帽

そしていつも青い自転車を押していた。

そう、いつも自転車を押している。

その子は、舞台の入り口付近
7〜8メートルの一角にいて
そこから出てこれない様子。

わたしがボールを拾うために
その角まで行くと嬉しそうについてくる。

とても嬉しそうに…

でも、わたしがその一角から出ると
霊界との境目みたいなラインに
立ち止まり悲しそうにわたしを見る。

寂しくて悲しくて
『なぜ?』
がいっぱいの感情でわたしを見る。

わたしは脳内に入ってくる映像で
見ている為、後ろにいても
表情や感情はわかる。

『この子はいつからここにいるんだろう』

『何で一角から出れないんだろう』

『この子はどこからきたんだろう』

『何で自転車を持っているんだろう』

疑問は尽きなかった。

山を切り拓いてできた新興団地
新しい小学校。

未だになぜ?と思う。



わたしはあの子がいるところにボールが
転がって取りにいくのがとても嫌だった。
しかし、
その子がこつぜつと消える日がくる。