幼稚園での遠足。

保護者同伴の遠足。

お弁当も作れないほど、
母の体調は芳しくなかった。

当然、外出もできない。

お弁当は近所のお友達の
お母さんが作ってくれることになった。

保護者は2つ年上の姉。

姉は小学1年生。

疑問に思う。
本当に遠足に行く
必要があるのだろうか…
行きたくない。

お弁当を作ってくれる
おばちゃんは、わたしの嫌いな
食べ物を細かく聞いた。

『嫌いな食べ物なに?
お肉が嫌いなんだよね?
他の嫌いなものはあるの?』

わたしはお肉が一切食べられない。
お弁当の定番
ハンバーグ
ハム、ウインナー、ソーセージ
全部食べられない。

あぁそうか
行かざるを得ないか…


お弁当の蓋を開けると、

小さなおにぎりが入った
かわいいお弁当だった。
が、、キュウリが入っていた。

キュウリ。。。
わたし食べれない。。。

どうしても食べれない。。。

お弁当にキュウリを
入れるなんて知らなかった。

おばちゃんはわたしに
『ごめんね、
キュウリ食べれなかったのに
いれちゃったね』と言ってきた。

悪いのはわたし。
おばちゃんの善意を
踏みにじったのはわたし。
謝ってもらわなくても大丈夫。

全てわたしが悪いのだから。

心の中ではそう叫んでいた。



母は、いつも体調が悪い中
お弁当を作ってくれていた。
私は味のない冷たい
ご飯を食べられず、
いつも残していた。
おにぎりを作る体力がないことを、
わたしにいつも謝った。

ご飯を残すわたしは、
母を悲しませている。
私が完食さえ出来れば、
悲しませなくて済む。
何度も思った。
ここまでして幼稚園に行く
意味って何だろうか。