母の兄妹は
兄、姉、母、弟、妹
全部そろっています。

昔の人あるあるです。

寝たきりの母を心配して
母の姉と妹が夏休みに我が家の
手伝いに来ることになっていました。

母が倒れてから数ヶ月。
ついに!
待ちに待った日がやってきました。

まずは母の妹。
名古屋からやってきます。

その日の朝。
わたしと2つ年上の姉は
叔母が来るのを

首をながーくして待っていました。

家と外を出たり入ったり
何度も繰り返しました。

首を長くするとはこうゆうことかと
思うほど待ちました。

『これで、何か良い方向に動く』
『これで、母は救われる』 

そう感じていました。

太陽が西の空に傾いたころ。

わたしと姉はブロック塀の上に座り
街の方向をずっと見ていました。

一台のタクシーがこっちへ
向かってきます。

『わぁー来た!』
『これで、私たちは生きられる』

目の前に一気に花が咲いたように
明るくなりました。

叔母はわたしたち姉妹に…

『ここで待っててくれたの?
遅くなってごめんね』
『お母ちゃんの様子はどう?
さぁお家に入ろ』

家に入った叔母は

ゲッソリ痩せて、
頬がこけて、
見る影も無くなった
母の姿を見て涙を流した。

『こんなに痩せてしまって、
もう少し早く来れたらよかったのに
ごめんね』と
叔母は母の手を取り
泣いた。