​母はほぼほぼ
寝たきり状態。

本当は入院が必要だったが、
幼い子供がいるということで
家に帰った。

母は毎日
病院へ行かなくては
ならなかった。

タクシーで通った。

往復のタクシー代
病院代

お金がいくらあっても足りない…

1週間程度でタクシーを止めて
バスで行くことになった。

母は必死の覚悟でバスに乗る。

歩くことすらおぼつかない。
少し歩くと息が切れ、立ち止まり
休んでまた歩く。

ましては、わたしのような幼児を
連れての病院通いは
さぞかし大変だったろう。

毎日、点滴を打つ。

人並みの速さでは点滴を
入れられないため
全部終えるまでに
1時間以上かかる。

わたしはベッド側の椅子に座る。

看護師さん達が優しく声をかけて
わたしに飴をくれる。

最初、あまりに長くて
待ち切れず、ワガママを言うと
母は途中で点滴を止めた。


これでは、母の病気が治らない…

ただただ我慢…

ひたすら我慢…

人は我慢と時間にだんだんと
慣れてくるものだ。

この生活がどのくらい続くかなんて
この時は考えることすら出来なかった。