朝から母は体調が悪く四畳半の部屋の端っこに布団を敷いて寝ていた。
わたしは布団の側に座り、ただただ母を見ていた。
突然。。
突然、それは始まった。
母は苦しみだした。
苦痛に歪んだ顔で
『救急車、、救急車を、、呼んで』
看病のため仕事を休んでいた父は救急車を呼ぶために慌てて黒電話がある玄関へ走った。
私はその場にいることが恐くて父の後を追う。
電話が終わるとすぐに母の側に戻り、『救急車呼んだよ。すぐくるから大丈夫。』と母に声をかけ、母は少し安心したように小さく『うん』とうなづいた。
小さな家の中は渦が巻いているようだった。
父は私の存在がないかのように私に一切目もくれない。
とにかく私は一言も発せずに父の後ろをついてまわるしかなかった。。。