『1千万以上あちこちで詐欺働く』
兄弟子で元落語家の高橋平明被告(72)かつては「明石家小禄(あかしやころく)」
という芸名で活動していた一時期は「明石家小禄・さんま」という
漫才コンビを組んでいた。コンビはほどなくして自然消滅したが、
「五所の家小禄(ごしょのやころく)」の名前で吉本興業の京都花月の舞台に立ち続けた。
74年にさんまの師匠でもある笑福亭松之助に弟子入りし、
「いまいくら借金があるのか覚えていません。
その場の思い付きで(詐欺を)持ちかけていたので、なにも考えておりませんでした」
実在しないイベントの「準備金」と称し、知
人らから多額の金銭を騙し取った疑いで今年5月に逮捕された。
現在名古屋地裁の岡崎支部で裁判が行われており、検察は高橋被告が’19年頃より
知人AとBの二人から合計1000万円以上を騙し取ったと主張している。
被害者のひとりであるAさんはこう語る。
「約20年前に、高橋が司会をするディナーショーに私が参加したことをきっかけに
知り合い、私は『師匠』と呼んでいました。’15年を最後に連絡が途絶えていたのですが、
’19年の秋に突然高橋から電話がかかってきて『沖縄で細川たかしのディナーショーがあるから、準備金として必要な300万のうち150万円を貸してくれないか』と言われました。渋っていたら『借用書も書くし、すぐに返せる。私はさんまの兄弟子ですから、
顔が割れていますし、逃げも隠れもいたしません』と言われ、
それもそうだなと思って貸してしまいました。
実際に吉本時代の人脈を使って人気タレントや人気俳優が出演する着物や貴金属の
販売イベントを企画・運営していたこともあったが、だんだんと実態のない
架空のイベントで金を騙し取るようになっていったとみられる。
もう一人の被害者のBさんには弟子は15人いると言っていたことがわかった。
本人も言っていた通り、本当に思い付きで話していたんでしょうね」
「最後に会った時よりげっそり痩せてはいましたが、人の心を掴むような
話し方は全く変わっていませんでした。
コロナのせいで詐欺を始めたというのも高橋の嘘です。
私にはコロナの前から『いいもうけ話があるんや』と持ち掛けてきていましたから。
裁判官に対しても同情を誘うような話し方で……。
逮捕されてもまだ人を騙そうとするのかと、がっかりです。
それと、私に対しては『弟子は二人いるんや』と言っていて、
そのうちの一人が亡くなったから葬式のためにお金を貸してほしいと
言ってきたこともあった。
今年5月に高橋被告が逮捕されてから2ヵ月ほど経った頃、
Aさんの元に高橋被告の弁護士から手紙が届いたという。
「弁護士を介して『とりあえず10万円を返金させてくれ』という申し出がありました。
私は900万円以上貸しているのに、少なすぎますよね。
少しでも返金して情状酌量を狙っていると思うと腹立たしく、拒否しました」
詐欺で得たお金については「借金の返済に充てた」と話している高橋被告。
判決は10月中旬に下される見通しだ。
白のカッターシャツに黒のスラックス、白髪にメガネ姿で法廷に立った72歳の高橋被告は、正面を見据え堂々とした様子で反省の意を述べた。
「被害者に対しては申し訳ないと思っていますし、反省しています。同じことを繰り返してしまって残念です。悲しいし、つらいです」
裁判官に以前も同じような発言をしていたことを指摘されると高橋被告は口をつぐみ、情に訴えかけるような口調で語り始めた。
「色んな人から『あの人を呼んでほしい、この人を呼んでほしい』と言われると、
自分も色気づいてしまって……男をあげようと一生懸命イベントの運営をしていまた。’
20年にコロナが流行って、イベントの運営があかんようになってしまった。
以前本当にイベントをやった経験から、さも知っているかのように
(実在しないイベントについて)話すことができました。
そこから自転車操業に陥ってしまって……全部コロナが悪いんです」
今後について聞かれると、法廷に来ていた妻のほうを見やりながら続けた。
「芸能活動はもう引退しようと思ってます。イベントの仕事ももうやりません。
年金の3万円と、嫁の給料で被害者の方に少しずつ返していきたいです」
憔悴しきった様子の高橋被告。
しかし、被害者のAさんは「何も変わっていない」とあきれた。
「最後に会った時よりげっそり痩せてはいましたが、人の心を掴むような話し方は全く変わっていませんでした。コロナのせいで詐欺を始めたというのも高橋の嘘です。
私にはコロナの前から『いいもうけ話があるんや』と持ち掛けてきていましたから。
裁判官に対しても同情を誘うような話し方で……。
逮捕されてもまだ人を騙そうとするのかと、がっかりです。
逮捕された当時、さんまはラジオで「(高橋被告は)20年前に