千葉・八千代市村上地区の七百餘所神社「村神様」ならぬ「村神郷」
平安時代の書物「和名類聚抄(わみょうるいじゅうしょう)」に記されている
「下総国印旛郡村神郷」と考えられている。
上谷(かみや)遺跡住居跡から発掘され、同館に展示の「人面墨書土器」
(高さ約29センチ最大幅約24センチ)地名や「延暦十年」の日付の文字と、人の顔が描かれている。
村上地区の七百餘所(しちひゃくよしょ)神社では、毎年1月15日と10月9日に、
神を招いて舞を踊る「村上の神楽」(市指定民俗文化財)が行われる。
まさに“村神様”の祭りと言えそうだ。
村上地区は梨畑が一面に広がり、約25軒の梨農家がある。
◆千葉県八千代市村上 八千代市東部の町名。印旛沼から南に流れる新川沿いに広がる。
近隣には古墳、遺跡があり、旧石器時代の約3万年前から人が住んでいたとされる。
1976年(昭51)入居開始の村上団地建設以降に住宅増加。
96年4月の東葉高速鉄道開業により、商業施設やマンション建設も進んだ。
梨が名産。「下総国印旛郡村神郷」が地名の起源。
多くのほこらを建てて神を信仰していたことから「村神」となったと伝わり、神社も多い。北隣の「米本」には、戦国時代に米本城があり、城主が村上綱清という武将だったとも伝わる。