『近大和歌山1-1(PK5-4)流通経大柏』(29日・フクダ電子アリーナ=1回戦)
V候補・流通経大柏PK近大和歌山、鮮やか速攻撃破
優勝候補に挙げられていた流通経大柏を降した。
見事な近大和歌山のカウンター攻撃だった。1点を追う後半24分、相手の攻めをしのぐと、
自陣からボールをつなぎ、中央からいったん左に出し、さらに右へ大きく展開。
流通経大柏の守りを揺さぶり、最後はFW藤木からのクロスをFW谷口が頭で仕留めた。
シュート数は相手の19本に対し、わずか2本
優勝経験のある強豪校に、防戦を強いられ続けた中での速攻だった。「
「練習で、守りから攻撃への切り替えを意識してきた。勝てるとしか思っていなかった」と
主将のDF荒木。苦しい戦いは予想の範囲内で、対策がぴたりと当たった1点だ。
それにしてもピンチの連続だった。
不利を自覚したうえで、流通経大柏のプレーに食い下がり続けたから。
「近大和歌山の集中力が素晴らしかった。
球際でのこぼれやセカンドボールが、相手ボールになっていた」
流通経大柏の榎本監督。近大和歌山の守備の出足の良さが、その言葉に表れている。
PK戦では、後迫が最初のシュートを止めて流れをつかんだ。
好守を連発した守護神は「練習試合でもPK戦に負けたことはなかった。
近大和歌山の藪監督は「勝つなら1-0かPK戦」と、彼我の力の差を認めていた。
それを実現し「運もあったし、選手もよく戦った。最高の結果」と選手の粘りをたたえた。