『北九州市の庶民の味』
 
発祥の店として知られる1945年創業の「だるま堂」60年(同市小倉北区)
 
戦後すぐ、バラックの飲食店などが並んだ「鳥町食道街」に開店。長崎県出身
 
初代に当たる坂田さんの親戚が、食糧難に焼きそば麺の代用品として
 
干しうどんを使ったのが小倉焼うどんの始まり。今や小倉を代表する名物にまで育った。
 
2代目店主、坂田チヨノさんが82歳で亡くなった。「だるま堂のおばちゃん」と親しまれた。
 
坂田さんは店を手伝いながら焼きうどんのレシピを覚えたという。
 
「初代の味を守ってきた」と自負していた。真心込めて焼いている。
 
「みんながおいしかったと言ってくれりゃ一番うれしいよ」と喜んでいた
 
約10年前に夫が死去し、息子は別の仕事に就いている。
 
坂田さんは昨年、「死ぬまで店を続ける」と意欲をみせていた。
 
だるま堂の小倉焼うどんは、ゆでた干しうどんに具材は豚肉とタマネギ、
 
キャベツを使用。ソースと魚粉だけのシンプルな味わいだ。
 
近年は焼うどん(税込み460円)と焼うどんに卵をのせた「天まど」(同560円)
 
などにメニューを絞っていた。
『ご冥福をお祈りします。黙とう』