NHKドラマ『腐女子、うっかりゲイに告る。』
特に切実だったのが5月18日(土)に放送された第5回だった。
そういう意味ではLGBT当事者が主人公のドラマの中でも異彩を放っている。
性的マイノリティの切実さが伝わってくるドラマだ。
ドラマでは、主人公の男子高校生・安藤純は同性愛者(ゲイ)であることを隠しながら
同じクラスの女子・三浦紗枝とも交際していたが、チャット相手だった
ゲイの男性が自殺するなどで悩むうちに妻子ある男性とキスしている場面を
見られたことで紗枝の前でゲイであることをカミングアウトする。
ところがその会話を同級生の男子・小野にも聞かれてしまい、小野がクラス中に暴露する。
教室の中で男子が着替え中に小野が純のことを「気持ち悪い」と、嫌悪感を露骨に示す。
『おっさんずラブ』をはじめ、性的マイノリティが主人公のドラマはコメディが多いのに対して、
『腐女子…」はかなり切実な青春ドラマだ。
テレビと「性」といえば、最近ではテレビドラマにも従来なかったほど様々な性的少数者が登場するようになった。
『おっさんずラブ』(テレビ朝日)、『きのう何食べた?』(テレビ東京)、『弟の夫』(NHK)など、
「同性愛」の当事者が主人公になる作品は今や珍しくはない。とはいえ「性的少数者として生きることの辛さ」を
切実な形で伝えようとする作品はまだ数えるほどだ。