福島県の農家が福島第１原子力発電所の事故の影響で風評被害に悩むなか・・・
【被災地で尋ねました】いま、あなたの宝物は何ですか？
◇ジュース品切れ トマト取り扱い３倍、県産野菜がネットで大人気
全国の消費者がインターネットを通じＪＡ全農福島、福島産の農産物を直接購入する動きが広がっている。販売は、米や野菜、農産物加工品など約２０品目すべてが例年以上の注文を受け、中には品切れになった商品も。市場を介した小売りは値崩れする傾向にあり、価格に変化がないネット販売が地元農家の心強い味方になりつつある。
ネット販売している果汁ジュース「福島桃の恵み」が１９日、品切れになった。例年、夏に収穫して９月から製造を始めるが、４月の段階で売り切れたのは過去に例がない早さで、ほかに在庫がないかを確認している。
水耕栽培のトマトを販売するいわき市の「とまとランドいわき」では、ネット販売の取扱件数が例年の約３倍になっている。原発事故の前後で、価格は変わっていない。市場や仲卸業者を介した販売が例年の半額以下で取引されている状況と対照的だ。
原発から約３５キロの地域にあるが、すべてがハウス栽培のため、自主的に検査した放射線量にも問題はみられなかったという。
各地の消費者からの注文が次第に増え、今では３割がネットによる直接販売が占めるようになった。
「風評に負けずにこれからもおいしいトマトを作ってください」などと激励するメールや手紙も約８００通寄せられているという。
「消費者からの応援で何とか経営できている。ありがたい。でも、やはりメーンであるスーパーや小売店でも適正価格で売ってほしい。『福島産』というだけで安く売られる状況は厳しい」と話している。
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