【そのまんま東当選】宮崎 | 【かほり放送局】

 開票結果は次の通り(敬称略、確定得票)。

そのまんま東 266,807

川村秀三郎  195,124

持永哲志   120,825

津島忠勝    14,358

武田信弘     3,574

 官製談合事件による前知事の辞職に伴う宮崎県知事選の投開票が21日行われ、無所属の元タレントそのまんま東氏(49)が初当選した。「宮崎を変えんといかん」という宮崎弁の演説が、政治不信を抱く故郷・宮崎県民の心をつかんだ。晴れて知事となり、これからは本名の東国原英夫=ひがしこくばる・ひでお=に戻すことも決めた。  午後8時10分すぎ、記者会見場の宮崎市内のホテルに現れた東氏は「私の家族である宮崎県民の皆さんに心から感謝したい。私の考え、思い、宮崎に対する愛情を皆さんが受け入れてくれた。宮崎が変わる。変えていかにゃいかん。これからが本当の真価が問われる」と深々と頭を下げた。
グレーのスーツに紺のネクタイというシックな服装。笑顔もほとんど見せることがなかった。支援者の万歳の間も頭を下げたままで、1度も万歳をしなかったのは、改革への決意の表れだ。「喜びは不思議とない。責任が重いなと思って。これから県政に全力で取り組まないといけない。勝利の美酒もありません」と口を固く結んだ。
それにしても、予想外のスピード当選。これには「接戦と聞いていた」と本人も驚きの表情だ。
23日が初登庁となるが、「そのまんま東から本名に戻る。そのまんま東はニックネーム的なもので呼んでもらえるといいなと思う」と“そのまんま知事”にはならず、東国原知事になることを表明。芸名から本名に戻すことについては「タレントではなく、政治家としての活動となるため」と説明した。
当初は「お笑い芸人に何ができる?」という冷ややかな有権者の声もあり、泡沫(ほうまつ)候補扱いする向きもあった。しかし、選挙戦途中からは一気にトップ候補に。「宮崎はもういいかげん変わらんといかん」と宮崎弁での訴えが有権者に届いた。趣味はマラソン。選挙戦最終日だけは、走って最後のお願いに回った。
98年に東京・渋谷の風俗店で、当時16歳の少女からわいせつなサービスを受け、事情聴取を受けたが、東氏は自ら演説で説明した。「私は反省することは反省する。自己変革をすることに決め、大学にも行きました」と変身をアピール。マイナス評価にはならなかったようだ。
東京都内から宮崎市内へ転入届を提出したのは、昨年11月中旬に談合事件が表面化する前の11月1日。今年7月末に行われる見込みだった宮崎県知事選と参院選の宮崎選挙区の双方を視野に入れた転居だったが、12月4日に前知事が辞職。想定外の早い時期での知事選で、本人に選挙権がないハプニングもあったが、故郷への熱い思いは届いた。