遠い昔の恋愛とは言えないけど

 

高校の三年間 ずっと好きだった人がいた 

彼女の隣で笑う姿を 少し離れた場所から見ていた

卒業後 勇気を出して気持ちを伝えた 

電話だけのお付き合い 

一度だけのデート それがすべてだった

色白で 光に触れるたびに 

そっと笑う人だった 

今でも そんな人を見かけると 

ふと、あの頃の君を思い出す

十九歳の夏 駅前の公衆電話で 

別れを告げられた声を聞いたあと 泣きながら 大学の寮へ戻った夜がある

君の家はもうなく 時だけが静かに過ぎていったけれど 

きっと今は 幸せに暮らしているのだろう 

孫の笑い声に囲まれて

遠い空の下で 君に幸あれ 

その願いだけは 今も変わらないまま