こんにちは、TOMOです。

 

ということで、、CCIEを取ろうと思って、結局3回目にしてやっと合格。。

 

かれこれラボ試験で足掛け10ヶ月くらいかかりました。

 

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CCIE R&SWラボ受験記(3回目)

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 4月某日CCIEの試験に臨むことに。過去2度落ちていますが、どちらも必死に勉強して挑み、手応えも十分であるにも関わらずの敗北だったので、未来航路が描けない感じでした。

 

 さらに今年から新試験が始まりルータも新しいのが追加されたりIOSもUpgradeされたりと、不確定要素も多い。

 

 きっとどんなにがんばってもあと2回は落ちそうだという悪い予感が頭をもたげ、試験日は4月までずるずるのびていました。

 

 今回は自腹+年休で、全くの個人として試験を受けているため、その部分では気軽でした。

 

 今回はいろいろな諸事情があって合格は厳しいことはわかっていました。まあ15万円の弁当を食べに行くと思って・・・とまでの割り切った境地ではないまでも、”いまできるベストを尽くそう”と目標を立てていました。 

 

 仕事もそして人生も常に調子がよい時ばかりではなくて、悪いときは悪いときなりにベストを尽くすのが大切だと思うからです。

 

 小細工も捨てました。たとえばカラーのペンを持って入室するとか、tclshを使ってpingを打つとか、Groupstudyを読みまくるとか。なんか一生懸命試験テクニックを追いかけてむなしく落ちるのが馬鹿らしくなってしまい、今回はオーソドックスに行きます。

 

 まず大きな変更点は、プロクタが外国人になっています。アジア系の人(中国?)、以前はオーストラリアでプロクタをやっていたらしい。英語もスローでわかりやすく、去年の仏頂面より好感度にして10倍くらいの差がある感じ。

 

 きっと英語はもっとペラペラしゃべれるのに、わざとわかりやすくゆっくり話してくれている感じで良い人です。日本語も理解しようという姿勢があって、典型的なネイティブアメリカンとかとは違うので、取っつきやすいと思います。

 

 試験の難易度は、去年の後半私が受けたのと同じでした。詳細は言えませんが、今のところ12.3のNew Feature系はあまり気にしなくてもよいかも。

 

 今だから言うと、去年の終盤は実はIS-ISやDLSW+など今年Removeが決まっているプロトコルは、すでに事実上Removeされていました。 ATMやISDNこそは残っていましたが、すでに消化試合モードという感じで、それで何か陥れてやろうというような野心的な問題は出ていませんでした。おそらくプロクタとかのことも考えて、新試験へとソフトランディングするために、徐々に試験を移行していったのではないでしょうか。

 

 試験開始です。今回はゆっくりと問題を読んで、正確に設定してゆきます。過去2回のように先を急ぐようにガツガツと食いつくように設定するわけでもなく、淡々と進行して行きます。

 

 ただ精神的に余裕を持って問題を眺めると、コンフィグに仕掛けられているトラップだとか問題の意図が見透けて来ました。

 

 ゆっくりと着実に設定して行きます。Redistributeでけっこうひねってあったのですが、それも写輪眼で見切りつつ進んで行きます。感触として、IGPはATMやISDNがRemoveされたぶん、多少難易度が上がった感じがします。DoiTまでとは行きませんが、ひねりがあります。

 

 今回の試験は、昼までにIGPが一つの目安でしたが、勢い余ってBGPまで終わりました。ゆっくりやっているはずなのに、いつもよりハイペース。しかも感触としてはここまでは100%正解です。

 

 弁当は相変わらず微妙な仕出し弁当。洋風でした。うまくはないけれど食べられないレベルでもなく、そこらへんが微妙なのですね。プレッシャーもないためか食欲も旺盛で完食。

 相変わらず沈黙がつらい休憩時間。

 

 午後です。残りQoS、Security、Multicastなどのどちらかといえばガレ兵ではなく伏兵の登場です(すみません>ガレ兵さん)。まだ4時間以上あるので時間的には余裕です。ペースを乱さずゆっくり解いていきます。怪しいのはCCOで調べて確実に設定します。

 

 そうそう、試験用のパソコンが新しくなったようで、CCOの動作が飛躍的に上がっていました。ただ、Searchは使用できないので、あらかじめ場所をおさえておく必要があります。ついでに言うとターミナルソフトもディスクトップに各ルータへのショートカットアイコンが用意されていて、すごくアクセスがしやすくなっていました。

 

 その後も、サクサクと設定して行ったのですが、最後の方で1問だけ謎の問題があって、どう考えてもソリューションはこれしかないというものには辿り着いていますが、それを実施すると以前の問題の制約事項に抵触することになって、うまくありません。こちらをたてればあちらがたたずという感じ。こういう場合はたいてい自分のソリューションに問題があるか、何かドンピシャリな抜け道コマンドがあるはずです。

 

 しかしいくら調べても、プロクタに聞いても決定的なヒントは得られないので、この問題は途中まで設定をして、最後のわからない1ピースには踏み込まない状態で放置しました。あわよくば部分点を狙いつつといった感じです。少なくとも他の問題を道連れにすることは避けました。

 

 ただ、このような現実には一生役に立たないようなトリック問題は必ずあって、どんなに勉強をしていても避けられない失点はあるので、ここでは焦らないことが重要です。

 

 一通り終わって、この時点で15時でした。あと2時間ちょい。

 

 油断は大敵です。過去2回も結果がわかるまでは余裕で合格と思っていた節があるので、今回は肝に銘じていました。はじめから見直して、showや時には debugを使いつつ動作を可能な限り確認して行きます。そうするとやはりミスを犯している箇所があります。修正して行きます。

 

 もう間違いはあり得ないという手応えを感じたのは終了30分くらい前。計算しても97%はポイントが取れている確信がありました。

 ただ今回はここに至っても大きな野心はありません。合格はもちろんしたいけれど、とりあえずベストが尽くせたことに満足していました。

 そしてタイムアップ。

 

 結果はPass

 

 来る日も来る日も何時間もガツガツ必死に目が疲れて開かなくなるまで勉強していた頃に落ちて、今回のように多少不安を抱えての試験で合格するのだから人生は不思議ですが、ある程度の実力以上に精神的なタフさが要求される試験なので、こういうこともあるのでしょう。

 

 去年は1回目落ちて、慌てて2回目を受けました。あのときには、こういった精神的なスイッチの切り替えが出来てなかったのだと思います。うまく言えませんが、たとえ実力値は合格レベルであったとしても、いったん負の流れに陥ると、どんなに努力しても落ちることはあるのです。

 

 無責任と言われるのを承知で言いますと、落ちこんで沈んだときに次の道が見えないときは、いったん勉強から離れる勇気も必要なのだと思います。それは甘いと言われそうですが、人は時間がたてばまたがんばれるのです。良い流れはきっと来るのです。

 

 これから受験する人にアドバイスがあるとすれば、一番重要なことは問題をしっかり読むこと。意図を把握すること。制約事項を守ること。プリセットされているConfigの間違いを見抜く、あるいは問題を解いたときに発動される罠を見破ること。これらは基本中の基本ではありますが、この試験では Criticalポイントなのです。

 

 あと常にベストなソリューションを求められているわけではなくて、実社会ではあり得ないような構成だったとしても、試験的にはそれが正解です。とにかく自分ならこうするだろうという思いこみは持たないこと。例えそれが技術的には優れたソリューションだったとしても、それを説明するチャンスはないし、何らかの制約に引っかかるようにできているので、得点できる可能性はありません。

 

 実社会におけるベストソリューションではなくて、試験的に題意を満たすソリューションを考えてください。

 

 最後に自己満足かもしれませんが、今回はまぐれっぽくない完全勝利を手にできたと思っていて、この点は満足しています。  

 

 ただ一発合格しか考えていなかったところの3回目だし、CCIEを2つも3つも取られている人がいる中での単なるR&Sということもあるし、手放しでよろこんでいるわけではないですけど、何はともあれとりあえずはよかったです。

 

(blog更新:2006-04-05 00:12:27)