上野動物園のバードケージは退屈させない空間であった。特に、夥しい数のルリゴシボタンインコの棲む檻は姦しく「非現実」の生きた標本のようで私の目を釘づけにした。遅れてきたシュールリアリスト、ジョセフ・コーネルがインコやオウムを箱の住人に迎えた動機を理解できたような気がした。こういうラブバードの種類は、人懐っこくてペットにぴったりと聞いていたので、孤独を愛する鳥かと思っていたが、野生では社会性が高く群れをなして飛ぶらしい。尾の方から嘴に向かって、緑、黄緑、黄、橙、赤と奇跡のように鮮やかなグラディエーションがつけられている。いったいどのような意味があってこの配色を身に纏うことになったのか。もし、古来よりこのような鳥が日本列島を飛んでいたら、日本文化は全く違うものになっていたのではないか。と思った。