三月、暫く離れていた東京に飛行機で戻ったとき、上空からの夜の景色があまりに暗いので驚いた。いつもなら空全体が白くぼーっと光り、おそらく夜間においては世界で最も明るい、光に満ちた場所だったのに、飛行機はどこか別の国に降りようとしているようで少し緊張した。

東京に限らず日本の都市には、蛍光灯や高輝度ランプが多く、白熱灯の多い海外の都市とは、明らかに夜景の色合いが違う。東京の周りには、南に川崎、横浜、東に千葉、北にさいたまと政令都市が切れ目なく隣り合わせ、それらをどこまでも淡い雲のようなものが覆っている。これが首都圏というものか。と昼間以上にメガロポリスの存在を感じたのだが。

私鉄は急行電車を運休していると聞いていたので、リムジンバスで都心を目指した。窓の外は想像していた以上に暗くて人通りも少ない。六本木も渋谷も例外でなく暗くて、いつもなら主張の強い看板の文字が読めない。地震の前と何ら変わっていないのに、街自体が息を殺して暗闇に潜んでいるようだった。