
アテネ空港からリムジンバスでアテネ市街に向かったときの感覚、それはこの街を初めて訪れたときと全く同じであった。いつまで経っても、どこまで進んでも、アクロポリスの丘は眼前には現れない。そうしているうちにバスはシンタグマ広場に着いてしまう。
いつからだろう。丘はアテネのどこからでも見えるランドマークだろう。と今度もまた根拠なく信じ込んでいたのだが、古代とは違って現在、ビルの並ぶアテネ中心街から丘を一望のもと見ることが叶う場所は意外にも少ない。古代アゴラの周辺までやって来ると、前方に遮るものがなく丘の全貌を見ることができる。そしてこの方向から眺めたとき、セットバックしたパルテノン神殿も姿を現すのだった。
夜はもちろんライトアップされたパルテノン神殿を望むことができる。その神域というより石造りの城砦と呼びたくなる眺めは、極めて彫刻的であり、まさしく「マッス」である。そして見る者誰しもを圧倒する。木のない石のみの城砦は、われわれ日本人の美意識からなんとかけ離れていることだろう。

空港は地図右下の白い部分。アテネの北東部で燃え続けている山火事が心配です。