前回、古代エジプトプトレマイオス朝最期の女王、クレオパトラ7世の「鼻」のことについて触れたが、彼女の実妹であり、政敵でもあったアルシノエ4世の墓が、トルコ・エフェソスで見つかり、彼女のものと思われる人骨が発掘されたことをNHKのTV番組で知った。アルシノエはローマ人により、このブログでもおっぱいネタで話題にしたことのあるエフェソス・アルテミス神殿に幽閉され、クレオパトラと同盟したマルクス・アントニウスにより毒殺されたらしい。

クレオパトラの血縁である妹アルシノエの頭蓋骨から顔が復元され、「鼻」の形などを調べた結果、驚いたことに、アルシノエは白人と黒人の混血で、エキゾチックな容貌の持ち主であったことが判明した。つまり美女クレオパトラも黒人の血を引いていたわけである。長い間白人として描かれたクレオパトラ像が、2000年の時を経て、脆くも崩れ去ったわけである。この事実をあの世のマイケル・ジャクソンにも知らせてやりたいと思った。


以下、松岡正剛「ルナティックス」巻末の月神譜より

■アルテミス Artemis
最もギリシアらしい女神のひとつで歴史上さまざまな姿をとった。最も有名なのは多乳多産形、原型はおそらくアマゾネスの月女神で狩猟神。ギリシア神話の作者たちは、アルテミスをアポロンと双子の関係におき、また、角神アクタイオンが純潔なアルテミスの水浴中の裸身を見たため八つ裂きにされたとしたが、これは獣を連れるアルテミスが変形して語られたものだった。のちにエフェソスでディアーナと混同された。アルテミスは大熊座をはじめ、多くの動物星座をつくった女神でもある (そこに狩猟神の姿が投影する)。

■ディアーナ Diana
三相一体すなわち三重神の天界の女王。月の処女神、被創造物の太母神、そして狩猟神の三相が三重化されていると言われるが、実際にはもっと多くの神人格が含まれる。最もよく知られた巡礼地はエフェソスとネミ。ルネッサンスを境に魔女の女王になったのは、古代ローマ時代にキリスト教者が計画的にしくんだものと考えられる。中世にはヨーロッパの原生林を支配した月森女神でもあった。ギリシア神ヘカテー、アルテミス、聖ブリジットも習合し、ディオーネ、ディアーナ・ネモレンシス、ディアーナ・ネモレンシス・ネメトーナ、デア・アルデンナ、デア・アブノバ、ディービカ、デヴァーナ、ジーウォナなど、各地でいろいろな名をもつ。