夏の晴れた暑い日、rubicon さんのブログで知った所沢ビエンナーレ・プレ美術展「引込線」というのを観に出かけた。西武の鉄道車両工場だったスペースに所沢近隣在住の現代美術作家が自作を展示するというもの。前に所沢に住んでいたGさんから、西武の電車はみんな中古車両で、日本のどこかで走っていていらなくなった車両を払い下げて貰って自社工場で整備して使っている。だから減速停止時の運転がやたらと難しい。と聞いたことがある。真偽は判らないが、たぶんその工場がここなのだろう。引込線のある車両工場と聞き、実は私はデルヴォーの絵の情景をイメージしていた。無論、人の寝静まった涼しい夜の車庫の情景。夜なら鉄の匂いすら感じられるに違いない。だから、本当はこんな晴れた昼日中ではなく、夜間に訪れたかった...

工場に着いてみて気づいたことだが、看板に偽りがあった。ポスターに出ていた引込線のある建屋は展示場ではなく「立入禁止」のエリアにあった。そのかわりに作品は、熱気でむっとした天井の高い薄暗い建物のあちこちに並べられていた。それらが、どうも借り物のような雰囲気で、この工場に並べられることを前提として作られていないような気がした。そもそも場の雰囲気に負けてしまっている。



たとえば工場の真ん中を壁のように区切っているこのパレット。展示されているどの作品より主張していて、素敵だった。