ハノイでは、1901年開業、白亜のクラシックホテル Sofitel Metropole に三泊した。以前からハノイに行くことがあれば、いつか泊まってみたいと思っていたフランス植民地時代の建築である。



ホテルに到着して、アオザイ姿のスタッフに部屋まで案内されてから判ったのだが、予約していたのは近年建て増しされた新館 Opera Wing の部屋であった。白い壁に黒と赤をあしらったおしゃれで繊細な部屋ではあるが、長い間「重厚な家具の並ぶ部屋にフランス窓から陽が射して、高い天井ではファンが緩やかに回り部屋の空気をかき回す」というようなイメージをこのホテルに抱き続けてきた自分には、新館の部屋は天井があまりにも低く、そして狭く、息が詰まりそうであった。

自分のイメージしていた、天井の高いコロニアル・ムード漂う部屋は、メインロビーのある本館の方にあった。はるばるハノイまで来たのだから、何がなんでもそちらに泊まってみたい。堅そうなホテルマンにかけあって追加料金を払い一泊だけ部屋を移らせてもらうことになった。通りに面したバルコニーのある部屋だった。