出発は朝六時。珍しく五時に起きました。営業前のホテルのレストランで折詰を貰い、できあがったばかりのバイキング朝食から汁気のないものだけを選んで詰めました。

ホテルのロビーには既にガイドの陳さんが待っていました。内心、おっかないおっさんガイドが来たら厭だな。と思っていましたが、20代前半っぽい女性で一安心。日本語は日本語学校で習って、まだ来日経験はないそうですが、日本語は(こないだ夢に登場した別の)陳さんよりお上手です。陳さんは日本のTVドラマもよく視るそうで、ドラマを毎週続けて視るのが苦手な Tomotubby よりよくご存知でした。

車は新しめのバンで、冷房もバッチリ。高崎空港から乗ったような、排ガス規制をクリアしてそうにないおんぼろタクシーが来るんではないかという心配は杞憂に終わりました。運転は一見「真面目なおじさん」の王さんです。実は、後で「女好き」であることが判明しました。

西へ向かって動き出した車の中で、まず今回訪れる目的地について話を切り出したのですが、正直、少し揉めました。 Tomotubby はリストを見せて、最低でも永定土楼民族文化村と承啓楼は回って欲しい。田螺坑や初渓村は無理かもしれないけど、棚田を背景にした綺麗な土楼の遠景も見てみたい。と、ささやか?な要望を伝えました。これを陳さんが中国語に訳して王さんに伝えるのですが、王さんは頑なに、このツアーでは永定土楼民族文化村にしか行ったことがないので他は却下。と主張しているようです。いきなりのピ~ンチ。



しかし、このくらいは想定内の展開なのでした。王さんが永定土楼民族文化村以外に行きたくないのは、①道がわからない。②時間が足りない。③予算が足りない。④知らない場所を案内できない。という言い訳から、そして⑤どうせ土楼なんてどれもみんな同じだろ。と考えているからでしょう。ならば、言い訳を排除すればよいのです。これこそ「問題解決手法」。

まず、①道がわからない。に対してはお馴染み旅行人の「ウルトラガイド」所載の地図を見せてあげました。ご両人、このような詳しい資料をいまだかつて見たことはないようでした。承啓楼は土楼民族文化村から遠くない場所にあることも指摘しました。
②時間が足りない。に対しては、通常のツアーの出発時間が8時か9時のはずだから、6時に出発した Tomotubby なら現地で2~3時間余分に観光できる筈であることを主張しました。ホテルのコンシェルジュから、早起きすれば沢山廻れると聞いたことも、殺し文句として忘れずに付け加えました。
③予算が足りない。に対しては、至って簡単。追加料金を出してでも行ってみたいことを伝えるだけです。
④知らない場所を案内できない。に対しては、ガイドブックが手元にあるので、心配無用と伝えました。承啓楼は切手の図柄にまでなっていて、中国人ならだれでも知っている有名な場所なのだから、ツアーの目的地に加えた方がよいのではないか。と言ってみました。
⑤どうせ土楼なんてどれもみんな同じだろ。に対しては、こちらの蘊蓄をいろいろ披露して、私は土楼を見るために日本からわざわざやってきました。訪れることを夢見てたのです。と熱意を示せばよいのです。

こうして頑なだった王さんも、時間が余れば承啓楼に立ち寄ってもいい。と言ってくれました。ヤター。聞いたところでは、王さんも陳さんも承啓楼のことは知っているけど行ったことがなく、興味がないわけではないようなのでした。