
シンガポール三度目にして初セントーサ。シンガポールの最南端に位置するセントーサ島は、まるごとリゾートアイランド。島へ行く方法として、昔はバスが一般的だったと思うんですが、最近MRTのハーバーフロント駅から乗り換えてセントーサ島に渡る「セントーサ・エクスプレス」というトラムが開通したので、こちらを利用するのが便利です。ハーバーフロント駅と直結して「VIVOCITY」なる一大ショッピング・モールが世界貿易センターの跡地にできたので、ここにも寄ることにしましょう。VIVOCITYにはローカルフードのホーカーズが結集した屋内フードコート「FOOD REPUBLIC」があって、涼しくて美味しくてお薦めです。

セントーサ・エクスプレス
でも、今回のセントーサ行きは「セントーサ・エクスプレス」や「VIVOCITY」が目的ではありません(きっぱり)。シンガポール第二の標高を誇る、といっても僅か115m の「マウントフェーバー」から、もう一つの交通手段であるケーブルカーに乗ってセントーサに渡ることなのです。日本人的にはこの形の乗り物は、決してケーブルカーと呼ばず、ロープウェーと呼ぶのですが。「だって、ケーブルにぶら下がってるからケーブルカー」らしいのです。このケーブルカーは「ジョジョの奇妙な冒険 第三部」で空条承太郎が、花京院典明に化けた敵、イエロー・テンパランスと闘った舞台なのです。私、シンガポールにツアー旅行で初めて来たときに、マウントフェーバー頂上までバンで上ったのですが、けちなツアーだったせいか、ケーブルカーには乗らず景色だけ見て帰りました。そのとき、ラオコーンの如く大蛇を体に巻いたオジサンがケーブルカーの駅にいてビックリしたことをよく覚えています。
タクシーでマウントフェーバーに上がって、まず最初に驚いたのは、駅舎が「ザ・ジュエル・ボックス(つまり宝石箱。適性検査にそういうのがあったっけ)」と呼ばれていて、レストランができたりしておシャレになっていたこと。あの蛇オジサンの姿はどこにも見つかりませんでした。

ザ・ジュエル・ボックスからセントーサ島を望む
二度目に驚いたのが行列。蛇がいないかわりに長蛇の列ができていました。並んでいるのは、ツアー客、それもコリアンの団体さんなのでした。大声でしゃべり倒すコリアン・ファミリーの行列の後ろに並んだところ、よりによって、また別のコリアンの団体さんがやってきて後ろに続くのです。これでコリアンの中に完全に埋没してしまいました。あえて日本人(イルボンサラム)であることを明らかにする気もないので、押し黙って列に並んでいました。
このようにして、いくつかのコリアン・ファミリーを観察する機会を得たのですが、奇異に思えたのは、母親の化粧が濃いとかいう以前に、どこか人工的で、どの家族も、母親と子供、特に娘がちっとも似ていないのです。やはり整形天国という噂は本当なのでしょうか。父親と子供は概ねよく似ているんですが。
長蛇の列は駅の建物の周囲を回り、マーライオンづくめのスーヴェニール・ショップの店内を通り、ケーブルカー(個人的にはロープウェーと呼びたい)の乗り場に繋がっていました。並ぶこと30分近くしてようやく乗る番が近づいてきました。ここで重要なことに気づきました。乗り場にケーブルカーのチケット売り場がないのです。コリアン・ツアー客が誰もチケットを手にしていなかったため気にならなかったのですが、彼らのチケットは団体チケットの筈で、先頭にいるツアコンが持っているのです。うっかりしていたのですが、行列に並ぶ前にチケットを買っておかなければならなかったのではないか...
しかし、もう一度列に並び直すのはイヤです。シンガポールは罰金刑が厳しいとかいろいろ聞いており、無賃乗車が見つかるとマジ、ヤバイです。どうしようかな~。と思案に暮れていると、いよいよケーブルカーに乗る順番が回ってきました。係員に次のゴンドラに乗るよう指示されました。続いてコリアンの家族が5人乗り込んできます。ドアが閉められます。ゴンドラの密閉空間で膝突き合わせ、彼らの汗から立ち昇る体臭を感じつつ、とても気まずい気分になりました。セントーサ島に着くまでの間、私は貝になりました。

ゴンドラからセントーサ島を望む。空条承太郎はこの高さから飛び降りたわけだけど...

セントーサ島マーライオンの展望台からマウント・フェーバーを望む