小学生低学年の頃だったと思う。九州旅行から帰ってきたばかりの従姉妹たちからお土産を貰った。それは別府の絵葉書セットで、当然の如く別府温泉の「地獄巡り」からも選ばれた写真がたくさん混じっていた。血の池地獄、海地獄、龍巻地獄..... 初めて見るこの世のものとは思えない光景ばかり。「ここで茹で卵を食べたんだよねー」 地獄巡りを体験してきて未だ興奮醒めやらない従姉妹たちの話すとりとめない話のいちいちが、小学生の興味をさらに惹きつけるのだった。ここには行ってみたい。いったいいつになったら行けるんだろうか。以来長らく、別府は Tomotubby の行ってみたい場所番付の筆頭にあった。

高校生になった夏休み、仲良しの友人Sさんと遠くに旅行しようということになった。Tomotubby の心は秘かに踊った。いよいよチャンスが巡ってきたのだ。Sさんが何と言おうと、目的地は九州にしなければならない。そのため一気呵成に車中二泊、九州各地の民宿に四泊する計画を立てた。

念願叶い夜行列車に乗って最初に降り立ったのは、湯煙煙る別府の地であった。そこからバスで向かった先は当然「地獄巡り」。あの地獄行きのバスの中での昂奮は生涯忘れられないだろう。

つづく