夜更けに独りでタクシーに乗っている私。理由は思い出せないが、既に引き払ってきた旧宅へ向かっている。
車は寝静まった静かな街を走る。こんな時間に、蛻の殻のあの部屋にいったい何をしに行くのだろう。必要に迫られていた筈だが、それが何だったのか思い出せない。
やがて前方の暗闇から、思い出の染み込んだ、切ない街の輪郭が見えてくる。私は踏み込んではならない場所に迷い込んだのかもしれない。漠然と、もう後戻りができないという気がした。
車は寝静まった静かな街を走る。こんな時間に、蛻の殻のあの部屋にいったい何をしに行くのだろう。必要に迫られていた筈だが、それが何だったのか思い出せない。
やがて前方の暗闇から、思い出の染み込んだ、切ない街の輪郭が見えてくる。私は踏み込んではならない場所に迷い込んだのかもしれない。漠然と、もう後戻りができないという気がした。