
安平樹屋は、もともと隣にある洋館、イギリス商社「徳記洋行」の倉庫として日本統治時代初期に建てられた建物でした。当時の輸出品、樟脳、砂糖などを貯蔵していたのでしょう。よくみると安平古堡(ゼーランジャ城)から流用された赤煉瓦も見つかります。日清戦争後に台湾が日本に割譲されてからは、日本政府が商品取引を独占したことから、外資商社が撤退を始め、最後まで台南に残った徳記洋行の建物と倉庫も、やがて「大日本鹽業(塩業)會社」の所有となりました。安順鹽田(塩田)で作られた塩が鹽水溪を運ばれ、この倉庫に貯蔵されていました。第二次大戦後、建物は「台湾製鹽総廠」の管理となりましたが、塩業が衰退したため放棄され半世紀以上の時間が経ちました。
その間にガジュマルの木が倉庫の建物に絡み、いつしか屋根を突き破り、植物と建物が一体化した「樹屋」という珍しい光景が現れました。2002年には、建物が芸術家のイベント・スペースとして使われるようになりましたが、イベントの終了後に再び放置されました。この地が「安平港国家歴史風景区」に指定されたことで、2004年に公開を目的に修復されボードウォークや階段が設けられました。
さあ、中に入ってみましょう。