一年ほど前、ブログが縁で、在日京劇劇団「新潮劇院」の公演を見に行ったのですが、今年も昨年と同じ烏山区民センターで「創立10周年記念公演」があると知り、Pet 君を誘って昨日行って来ました。

演目は、
「盗仙桃」西遊記
「鉄弓縁」大英節烈
「挑滑車」説岳全伝
と、いずれも初見のものばかりです。

最初の「盗仙桃(盗取仙桃)」は「猴劇」、つまり御馴染み「西遊記」からの演目で、昨年の「孫悟空大閙龍宮」での孫悟空の素晴らしい演技が記憶に新しい馬征宏さんが登場。公演後に千歳烏山駅で馬さんのお姿を拝見しましたが、ジーンズに茶髪で、ちょっと錦野旦に似てるかな。今回の演目は殆ど一人芝居で、如何に「猴」を演じるかが見ものでした。身軽な立回りが無かったのがちょっと残念でした。

次がNHK中国語講座の慮思さんが登場する「鉄弓縁」。昨年と同様、陳秀英という娘役の慮思さんが北京語、母親役の黒テントの男優・田村義明さんが日本語で演じるという企画ものでしたが、二人の掛合いが面白かったです。慮思さんの仕草、中国語講座にも増してブリブリでかわいかったですね。昨年慮思さんと共演した張清恵さんがただ今北京に留学中らしく、彼の演じる母親役も見てみたかったです。陳秀英が一目ぼれするハンサムな匡忠の役は、昨年「孫悟空大閙龍宮」で蝦の役をしていた人でした。


「鉄弓縁」

最後が今回の目玉「挑滑車」(夏目漱石はこれを翻案して「夢十夜」第十夜を書いたという説があります)。この長いお芝居は団長・張春祥さんの独壇場。昨年は団長の活躍が少なくて少し物足りなかったんですが、今回は張春祥さん演じる南宋の武将・高寵の金軍相手の孤軍奮闘の大立回りにもう圧倒されっぱなしでした。特に高寵の体ひとつの表現で、山から降りてくる金軍の戦車「鉄滑車」を捌き、最期に力尽きてしまうシーンが見ものでした。


「挑滑車」が終わった後の舞台挨拶。左から二人目が張春祥さん、その右が慮思さん

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新潮劇院:創立10周年記念公演--20日、東京・世田谷で

日本で活躍する京劇俳優、張春祥率いる「新潮劇院」が創立10周年記念公演を、20日18時半から東京・世田谷区民センターで開催する。

演目は「孫悟空、仙桃を盗むの巻」「鉄弓縁」「挑滑車」の3本。「孫悟空」は「西遊記」の中で最も有名な演目で、悟空のパントマイムが主体になる。「鉄弓縁」は喜京劇。茶店を営む母が、娘に手を出そうとする金持ちの息子をたたきのめし、理想の婿を見つける。娘を盧思、母を田村義明が演じる。

最後の「挑滑車」は京劇の武劇でも難度の高い作品。宋の猛将、高寵は金との戦いで敵を山中に追い込むが、待ち伏せに遭い、反撃される。山の上から次々と投げ落とされる鉄の車輪を、槍(やり)でさばき続けるが、ついに力尽きる。高寵を張が演じる。問い合わせは新潮劇院(03・3484・6248)。【小玉祥子】

毎日新聞 2006年5月15日 東京夕刊