江ノ島とモン・サン・ミッシェルの共通点は、まず満潮時に海に浮かび、干潮時には砂嘴で陸と繋がるという独特の地形でしょう。そして両者が千年以上前の昔から、宗教的な聖地だったことです。



江ノ島の歴史を紐解くと、最初に社が作られたのは6世紀であると比叡山の僧、皇慶が著した「江嶋縁起」に書かれています。そこには龍神伝説についても書かれています。ご存知のように江ノ島には海食でできた洞窟、岩屋があり、最初はアニミズムとして岩屋が信仰の対象となったに違いありません。洞窟には「龍」が棲むと信じられ、やがて龍神を崇めるようになったのでしょう。江ノ島は弁財天信仰でも有名ですが、こちらも水を司る神です。龍神伝説によると、龍は五つの頭を持つ暴れ者でしたが、美しい天女に恋して、善行を尽くして守護神となることで無事結ばれたということです。龍の方が先に祠られ、後に天女と一体化した弁天への信仰にも発展したのではないでしょうか。


江ノ島岩屋と岩屋にいるハイテク?龍神

かたやモン・サン・ミッシェルは、キリスト教の四大聖地の一つ、その名は「聖ミカエルの山」という意味で、大天使ミカエルが祠られています。もともと異教徒ケルト人の聖地であった島に、8世紀の初め、聖ミカエルのお告げに従って、宣教師が修道院を立てたのが始まりです。ミカエルは、聖書において守護天使、天使長の役割を担い、西洋美術では、孔雀の羽をつけ、手には聖なる剣と審判のため死者の心臓を量る天秤を持ち、鎧に身を包んだ武人の姿として描かれています。そして彼の足元には、堕天使サタンの化身である大きな「龍」が退治されて横たわっているのです。モン・サン・ミッシェルの尖塔の先にも、龍を踏みつけるミカエルの黄金の像が据えられています。