タイガーバームガーデン最上層の南端には、熊とも狼とも見える二匹の白い巨大な獣に襲われている三人の少年の像があります。少年たちは、これまで見た園内の塑像が身に着けていた中国の伝統衣装ではなく、シャツと半ズボンを着ています。前方では三人のうちの一人が、獣に襲われそうな危うい状況にあり、その後方では、崖の蔓草に飛びついて難を逃れた少年と、別の獣に足を噛み付かれている少年がいるのです。この場面をどのように解釈すればよいのでしょうか?



文献?を読むと、実はこの場面の背後にも教訓めいた話が存在しているようです。それを判りにくくしているのは、先に「武松殺嫂」や「西遊記」の場面にもあったような、複数の場面や時間の混在です。

この場面には二つの教訓話が混在しているようです。両方の話に共通しているのは、ピクニックに出かけた少年たちが一匹の獣に遭遇し、前方で倒れている少年が逃げ遅れ、他の少年から見捨てられたことです。この少年は、気を失っているのではなく、近づいてくる獣をやり過ごそうと、息を凝らして死んだ振りをしています。

一つ目の教訓話では、死んだ振りをした前方の少年がうまく獣をやり過ごした後、獣が矛先を替え、その少年を見捨てて逃げた「不実な」友人を食べてしまったというものです。つまり右後方の獣は前方の獣と同体で、両方の場面の間に時間の経過があるわけです。



二つ目の教訓話は、蔓草に飛びついて逃げた少年が、見捨ててきた友人を今まさに襲おうとしている白い獣を窺っています。獣は少年の耳元で何かを囁いた後、見過ごして行ってしまいます。崖から下りた少年は、危機を逃れた友人が獣に何を言われたのか聞いてみました。獣は「おまえを見捨てた友人を信用するな」と囁いたというのです。