虎豹別墅で取り上げられている主題には、「白蛇伝」以外にも、後日ご紹介予定の「西遊記」を含めて、チャイニーズ・オペラ、京劇の演題がいくつかあります。

「水滸伝」からも多くの演題が披露されていますが、中でも武松に関わる「武十回」からのものが多く、先にご紹介しました西門慶殺しの話も、西が殺された酒楼の名である「獅子楼」という題名で演じられています。もしかすると「武松打虎」のシーンで、虎が「獅子」になっていたのは「獅子楼」の隠喩であるのかもしれません。これは深読みかな?

西門慶殺しの後、武松はどうなったのでしょう。武松は役所に自首して、罪人として孟州まで護送されます。その途中、十字坡という場所で宿をとりますが、そこは後に梁山泊に集う菜園子張青と母夜叉孫二娘が営む酒屋で、客を殺して肉饅頭の具にするという(Pet 君がマカオの旅行記で話題にしていた)「八仙飯店」みたいな場所でした。武松は暗闇で孫二娘に襲われ、危うく肉饅頭の具にされそうになるのですが、張青が帰宅して、武松の素性を知って詫び、二人は義兄弟になります。この暗闇での男女の対決を見せ場にした演題が「武松打店」なのです。