ここまでで階段状に広がる虎豹別墅の一段目と二段目を見終わりました。次のステージは、すり鉢状になった円形広場の周囲に繰り広げられる迫力ある等身大のキッチュ・ワールドです。

まず目に飛び込んで来るのが、両手に刀を手にした性別不詳の老人が物凄い形相で、槍を持つ二人の若い女性と闘っているシーンです。見ようによっては、多勢で年寄りを苛めているようにも見えます。後ろでは「廣済堂」と書かれた太鼓と銅鑼を叩く少女がいます。老人と女性の闘いを囃し立てているようです。

その向こうでは、二人の女性が立ち話をしています。近くで年寄りが闘っているというのに、どこ吹く風で世間話でしょうか? 待ちきれなくなった子供が「早く帰ろうよ」と言わんばかりに母親の腰にぶら下がっていて、素肌が丸見えになっています。

これらは一体何を意味しているのでしょうか?


四川の薬売り

Tomotubby は連休に実家に帰って、以前母と虎豹別墅を訪れた時、虎豹別墅がまだテーマパークだった時に撮った写真や資料を持ち帰りました。その中に、この意味不明な場面について書かれた資料がありました。資料によると、何のことはない。この人たちは四川省出身の「薬売りの行商」家族だったのです。老人と若い女性は剣戟で客寄せをしていて、向こうで立ち話をしているように見えたのは、子供を連れた母親に薬を売り込んでいたのです。Tomotubby は、「白蛇伝」みたいなお話が背後に存在するのではないかと考えていたので、拍子抜けしてしまいました。でも、胡文虎・文豹兄弟としては、これこそが「萬金油」のファミリー・ビジネスの原点であるわけですよね。そういえば「白蛇伝」の四川省・峨嵋山出身の白素貞も、新婚時代に薬の商売をしていたっけ。