旧正月の時期、香港のホテルには空き部屋も多く希望した価格帯の部屋は難なく見つかったが、マカオでは希望通りの部屋はなかなか見つからなかった。空いているのは室料の高い高級ホテルや中心地から離れたリゾートホテルばかりで、リーズナブルで便利な宿はなぜか満室なのだ。マカオは、日本において、何故か香港ほど人気がない。何故だろう。何故かしら。それなのに、香港には空室があり、マカオはフルである。不況でお年玉が減っている現在において一攫千金を狙った日本仔が、カジノ目当てに大挙して訪澳するとはとても考えられない。どうやらこれは香港でホテルに泊まるはずもない香港仔が、正月休みに大挙してマカオに遊びに来ているからに違いない。貯めたお年玉を元手にカジノで一攫千金ということだろう。Pet が言ったわけではないが、「香港仔はケチ」なので近場のマカオで高級ホテルなどには泊まらない。そのため、博打などに全く興味のない健全極まる日本青年のホテル需要とバッティングしてしまったのだ。まったく迷惑千万な話である。そうと判れば、現地でホテル探しをするのも面倒なので、マカオでも、しっかりカジノ併設のホリデイ・イン系列を予約した Pet であった。もちろん香港での部屋のグレードアップに味をしめたのだが。

港澳碼頭(マカオ・フェリー・ターミナル)に着いて、まず驚いたのは、フェリー乗り場の前には〇〇旅社とか〇〇旅遊社とか、旅行代理店がたくさん並んでいることであった。こんなことなら、フェリーの待ち時間に、ここでホテルを予約した方がよかったかもと、後悔したが、見ていると何やら様子が違う店がある。ところどころで人だかりができているのである。それも、おっさんばかりである。普通の店の外壁には、ツアーやホテルのことが書かれたパネルがかかっているのだが、人だかりができている店には、チャイナドレスのエッチぽいお姉さんの写真のパネルがかかっていて、××夜總會とか××健康芬蘭浴とか書かれている。怪しい。代理店の中を覗くと、椅子に座ったあぶらギッシュな、おっさんたちは、積んであるアルバムのようなものを必死になって見ている。アルバムには、その手のお姉さんの写真が一杯だ。ははーん。Pet は察したのであった。健康芬蘭浴というのは意味不明だが、夜總會というのは多分ナイトクラブだ。香港のホテルの近くにもあった。つまり、この旅行代理店では、マカオのナイトクラブのホステスの指名予約サービスのようなことまでできるのだ。どうやら香港仔は貯めたお年玉で博打以外のこともするつもりなのだ。